掻き消すように ページ22
A「ねぇ、凛？」
凛はいつの間にか寝てしまっていた。
しっかり私の手は繋いだまま。
A「フフフ。」
その寝顔が可愛くて、
思わず笑っていた。
やっぱり凛の事好き…
そう思うの。
凛と一緒にいればいるほど、
こんな人と一緒になれたら…って、
そう思える。
握り締められた手を持ち上げ、
手の甲にそっとキスをした。
すると、
凛「…こっちがいい」
そう言って、
起き上がりながら、
キスをされた。
当然だけど、
紫耀とは違うキスに、
上手く付いていけない…
そんな私に、
凛「ねぇ、しよ？」
そう言われた。
凛はすでに男の顔になっている。
実はあの日以来していない…
A「眠くないの？笑」
咄嗟にそんな風に言って、
雰囲気をはぐらかそうと思ってそう言った。
けれど、
凛「全然眠くないよ？だから、いい？したい…」
A「うん」
そう答えると、
凛「今日は優しく、大切に抱くから。」
手を引かれ、
寝室へ入ると、
ベッドへ寝かせられた。
凛「好きだよA…」
A「私も、…好きだよ。」
そう言って、
目を閉じた。
凛は本当に、
優しく、
大切に抱いてくれた。
愛の言葉を沢山くれながら…
凛に揺らされながら、
やっぱり紫耀の事を考えてしまう…
だから、
こんな風に違う人を思いながら、
抱かれているなんて知られないように、
凛を引き寄せ、
いつもはそんな事しないのに、
沢山のキスをせがんだ。
そんな私に、
凛は答えてくれる。
それでも紫耀が浮かんで来る。
私はそれを掻き消すように、
自ら上に乗り、
激しく熱く動いた…
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
