事実は変わらない ページ43
走り出す車。
車内ではお互いに無言だった。
私は泣き過ぎたせいと、
今のこの状況の事など、
色々なことが重なり、
もう目を開けておくことすらキツく、
目を閉じていると、
すぐにマンションへ着いた。
車を降りると、
紫耀の後をついて歩く。
紫耀「入って？」
A「……。」
無言で部屋の中へ。
また戻って来てしまったこの部屋。
私がソファーに座ると、
紫耀「聞いて欲しいんだけど…」
紫耀はダイニングのイスに座り、
話し始めた。
A「…分かった」
どれだけ別れたいと言っても、
きっと紫耀は納得しないんだ…
もう疲れた…
昨日から寝てもないし、
目も痛く、
頭も痛くて、
もうどうでもよくなっていた。
紫耀「俺、その…記憶がないの。」
A「…記憶がないって…何の？」
紫耀「いや、だから、その浮気したって言う、その記憶が…」
最後の方は声が小さくなっていた。
浮気ってフレーズにまた胸が痛む。
でも記憶がないって…
なにそれ。
A「そう…。」
もう面倒だと思いながら、
別れる為にはどうすればいいのか、
そんな事を考えていた。
紫耀「…うん。」
それからまた無言に。
しばらく待っても変わらぬ状況に、
A「もういいかな？」
紫耀「あっ、えっ？ダメ！」
A「聞いた所で、起こってしまった事実は変わらないでしょ？ごめんなさい…もうキツイわ。限界なの。倒れそう…」
精神的にも体力的にも
もう限界だった。
紫耀「分かった…大丈夫？って、俺のせいか…。ごめん…。今日はこの部屋で寝てよお願いだから。そんな状態でもう歩けないでしょ？俺がこの部屋出て行くから…それだと安心して寝れるでしょ？頼むから、そうして欲しい。」
本当にもう限界だから、
そうしてくれるとありがたい。
A「ありがとう。そうさせてもらうね…」
そして、
立ち上がると、
寝室へ…は行かず、
8畳の部屋に行き、
限界な身体をベッドへ沈ませた。
遠退く意識の中、
玄関のドアが閉まる音だけが最後に聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 636人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2020年2月2日 10時
