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サヨナラ… ページ41

A「もうそのままでいいから、…話ししよう。」

紫耀「うん。」

A「社長さんに電話したの。紫耀もしたんでしょ?」

紫耀「うん、した。俺たち別れないからって言った。」

A「…はぁ。それは紫耀の意見であって、私は違う…。」

紫耀「だから無理だってば…」

A「私も無理なの…。もう無理なのよ。信用出来ない。」

紫耀「俺が死んじゃってもいいの?寝れなくなるし、ご飯も食べれなくなるし、仕事にも行けなくなるよ?」

A「ズルイよ…そんな事言うのは。」

紫耀「ズルくてもいい。どんな手を使っても別れる事を阻止できるなら、俺はなんだってする。ってか、Aが俺の側にいない人生なんて要らないから。」

段々と怒りの感情が湧き上がって来た…

A「…じゃあ、何で?何で浮気なんて出来たの?信じられない。どの口がそんなこと言える訳?言ってることと、した事がめちゃくちゃじゃない!最低!本当に嫌い。本当に無理!」

ついに、
感情をぶつけてしまった。
もう無理だった。
泣きながら、
初めて声を荒げて、
怒りをぶつけた。

好きな分だけ、
裏切られたショックが大きく、
やっぱり許せなかった。

立ち上がると、
バックから指輪とネックレス、
この部屋のキーカードを取り出し、
テーブルに置いて、

A「サヨナラ…」

そう言って、
正座をしている紫耀の横を通り過ぎようとした。

紫耀「待って!行かないで!だぁっー!痛ってー!」

正座をしていたから、
足が痺れてしまったようで、
その場で倒れ込み、
立ち上がれない紫耀の横を通り過ぎた。

部屋を出て、
もうここへは居られない。
ううん。
居たくない。
だから、
マンションを出て、
駅へ向かって歩いた。

バックからまた伊達メガネを取り出し、
泣き顔を隠すように、
下を向いて、
早足で歩いた。

こんな事になるなら、
出会わなければよかった…
幸せなんて、
夢見るんじゃなかった…
やっぱり私には幸福な未来なんて似合わない。

紫耀に出会う前の私に戻りたい…
作り笑顔でも、
こんなに傷付かずに済んだもの。
何も感じる事もなく、
幸せになる事を夢見る事もなく、
そんな風に生きていた、
あの頃に戻りたい。

歩道で寄り添って歩く恋人達を早足で追い抜きながら、
悲しくて、
辛すぎて、
溢れ出る涙を拭う事も諦め歩き続けた。

声を聞いただけで…→←難しい



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作者名:ひろみ | 作成日時:2020年2月2日 10時

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