普通の女の子じゃない ページ30
「じゃあ、次は俺ね。Aは夜景も夜空も好きじゃないんだよね？…何でなのか知りたいんだけど…」
「…そうだね。好きではないな…。うわぁーとか、キレーイとか、そんな女の子らしい気持ちは全くないしね。」
「…じゃあ、どんな気持ちでいつも見てるの？」
「変な話になるけどいいの？」
「うん。全部聞きたいから。」
「そう…。…私がいつも夜空を見上げる理由は、この東京の夜空が私に似てるなぁって、勝手に仲間みたいだなって思ってるからなの。だから、毎日、こんなどんよりとした、夜なのに、変に明るくて、星も見えない夜空に会いたくなるの…。夜景は、なんて言っていいんだろ…。あの綺麗な夜景を作ってる明かりの中に、1つでも、私みたいな人がいるのかもなって思えば、私だけじゃないんだって、救われてた…。アハハ。…と言う病んでる女なの。笑」
「…そんな事は思わないけど、何でそう思うようになったのか、何があったのか知りたい…。普通の女の子ってそんな風には思わないでしょ？」
「…そうだね。普通の女の子は、こんな事思わないと思うよ。だから、私は普通じゃないの。笑」
「こんな悲しい話ししながら、ずっと笑うじゃん…。悲しそうに笑ってて、胸がギューってなる…。どうしたらいい？」
そう言って、抱き締められた。
「大丈夫だから。どうもしなくていいって。そんなに可哀想じゃないよ私。笑」
平野君の背中をポンポンとした。
何でだろ。私が慰めてる。笑
「…夜のお仕事してた事と関係してる？」
背中をポンポンしてた手を、つい、止めてしまった。
「…。じゃあ、次は私が聞いていい？」
話題を変えよう。
もう、こんな話しをしても意味が無いんだから。
「ダメ。まだ、答えてないじゃん。」
ゆっくりと離れると、私の目を覗き込んでそう言われた。
「言いたくない…」
踏み込んでこないで…
「何で？全部俺に吐き出してよ…。好きな人の苦しみを知って、そのまま流すなんて出来ない。俺にも分けてよ。知る権利もあると思う。」
そんな風に、言われたら…、私…、
「ダメなの…。…5年間頑張ってきたの…。必死に耐えて…、未来への希望も幸せも…、全部、全部…。そうやって頑張ってきた私が、私が…、こんな形で…」
ダメだ…。
もう止められない…
溢れてしまいそう…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1446人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
