仕事 ページ3
一体、どんな仕事なの？
まさか…
「心配しないで？この方の愛人にとかじゃないから。笑」
あー、そうか。良かった。
「私は、Aちゃんには自由になって、普通の女の子として幸せになってもらいたいの。このままここで働いて欲しいけど、それだと何十年も掛かるわ…。あなたみたいにいい子が、それじゃあダメよ。だから、この仕事を引き受けて欲しいの。お願い。」
ママは、私が東京に出て来た時に、ここに受け入れてくれた恩人。
夜のお仕事の作法も何も分からない私を、優しく指導して下さった。
そして、唯一、何故私がこの銀座で休みなく必死に働いているのか知る人。
娘のように気に掛けてくださり、見守ってくれた人。
そんなママがここまで言うんだから、悪い話では無いんだろう…
「…仕事の内容をお聞きしてもいいんですか？」
内容が分からなければ、返事も出来ない。
「うーん。それは難しいな…」
年配の男性は、そう言った。
「Aちゃん。私を信じて？これはチャンスなの。これを逃すと、あなたはこのまま何十年も縛られたままよ？それじゃあ、ダメよ。」
ママ…。
「…分かりました。お受けします。」
そう返事をした私を、ママは、大丈夫だからと頷いている。
でも、怖い。
一体どんな事が待ち受けているの？
「良かった。ありがとう。」
男性はそう言って微笑んでいる。
そして、よく分からない事を言われた。
「仕事はね、私の事務所の若い男の子の話し相手になって欲しいんだよ。」
事務所？
若い男の子？
話し相手？
全てが？？？状態…
「…話し相手ですか？」
でも、それだけではないはず。
「まぁ、それ以上を望まれれば、応えてあげて欲しい。」
ほらね…。
そういうこと…。
体の関係もあり得ると。
だから、その分お金がいい話ってことなのね。
受けると返事をし、仕事内容を聞いてしまったからには、断れない…
「…分かりました」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
