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私は行くあてもなく

部屋を出て、近くの公園のブランコで揺れていた。








私は何のために日本に来たんだろう。

そうだ。貴方の声をもう一度聞きたくて......

じゃあ、もう日本にいる意味はないじゃん。









その時、サラリーマン姿の人が目の前に現れた。









「こんにちは。もう一度会いましたね」



『貴方は....確か....前の!!』



「今度こそ、主人に会っていただきます。」



『主人の名前を名乗れ』



「それは無理です。それでも来てもらいます」






私はまた手を強く引っ張られた。






「Don't touch me!!」





私はそう叫んだ。





「おい、お前!何してるねん!」





すると駆けつけて来た晃一が手を離してくれた。




「誰や、今の?」



『分からない』



「ニューヨークでもこんなことあったん?」



『いや、日本に来てから......』



「はぁ.....まいは何で日本に来たねん」



『会いたかったから』



「は?」



『晃一に会いたかったから』



「.......」



『でも迷惑だったよね.......ごめん』



「........まい、ちょっと座ろうか」









そう言うと、晃一はブランコに座った。









「俺な、好きな人の結婚式見にニューヨークに行ったねん」





晃一は切なそうな顔で私に言った。





「何でわざわざニューヨークまで来て、好きな人の

結婚式見にいかないけないんやって思ってる顔して

るな。だけどな、好きな人に来てって言われたら行

きたくなるんや」






「でもな、やっぱ行かなければよかったって後で後悔したわ」





「それで、俺はあの夜、酒を飲みまくった。

そして朝起きたらお前が隣にいたんや」





「ごめんな。まいまで巻き込んで。」









その時、私の目から涙がこぼれた。







「何で、お前が泣くねん!!」



『だって、、、』



「そんなに俺、あの夜にあかんことしたんやな。思い出させてほんまごめん!!!」



『違う!!』








説明したかったけど、泣きたくなる気持ちは私の日本語力では説明できなかった。








『でも、私はそのおかげで晃一に会えた。』



「、、、」



『私は晃一の選択が間違いとは思わない。

だって、そのおかげで私は幸せだから。

だから、今度は私が晃一を幸せにする』









その時、いきなり私の体は包まれた。


「ありがとな。お前がいい奴で良かったわ」


そして、晃一は静かに涙を流した。







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作者名:甘蜜 | 作成日時:2017年10月2日 0時

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