糖分取り過ぎ注意報【妖怪ウォッチ】短編集

共依存 むらまさ【ヤンデレ】 ページ11

危険度:★★☆☆☆



彼は、血に飢えている。

「ん…。」
「Aは…甘い…。」
ねっとりと、むらまさの舌が這い、肌を滑って肩口へ噛み付いた。
「今日も…。
誰も…斬ってない？」
「Aと交わした約束は違えはしない…。」

そのかわり。

再び、浮き始めた血の溜まりを強く吸われる。
傷跡が赤く斑と重なり合ってむらまさの目を楽しませた。
「んっ…。」
「もっと、良い声で鳴け。」
かしゃんと、むらまさの手から刀が落ちた。

「声…。」
耳元に寄せられたむらまさの唇が熱い吐息を乗せて囁いた。
ふるりと、身体が無意識に戦慄く。
「や、だ。」
「強情だな…、でも。
悪くない…。」
「っふ…。」
涙を浮かべた瞳が真っ直ぐに睨んできた。
「むらまさ…。」
小さな両手が頬に触れたと同時に唇が重なる。
啄むような、口付けを交わして最後に深く深く繋がった。

血の味。

広がる味覚は同じもので一つになったような錯覚に陥る。

「むらまさの…意地悪…。」

彼は何時から、こんな甘い言葉を囁くようになったのか。
それに、それぞれが夢中になったのは、何時からか。

お互い、憶えていない。

「我は、Aだけには心を許す。我には…Aしかいないのだ。…A、愛している。」
「…、むらまさ…。私も…」

貴方だけを愛しているわ。


私達はお互いに、依存しあっているのだ。





「むらまさ、」

私は彼にすがるかのように言う。

「私はむらまさだけ、見てるから。」

想いが、飢えに陥らないように。
「もっと、愛して。」



そう言えば、彼もまた、愛を呟くのだ。



("愛している")


(それは共依存のハジマリ)




＿＿＿＿＿

短くてすいません。

独占欲 オロチ【ヤンデレ】→←君を守る フユニャン【ヤンデレ】

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