俺じゃダメですか? (ページ10)

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10話ページ10

(千 side)

ニカの悩み苦しむ姿は、俺が一番見るに耐えない姿

ニカにはいつも幸せに笑っててほしい

だからあの時も自分からミツのこと聞いてしまった。

あとあと辛くなることも考えずに。

でも、「元気出てきた♪」って言って俺が一番好きな笑顔のニカに戻ってくれた

そう、そこまではいいんだ。そこまでは。

「お前やっぱ好き～」

ニカはそういってた。

この言葉の意味を思うたびあいつの気持ちと俺の気持ちの根本的な違いを思い知らされるようで
すごく苦しい。

辛い…苦しいよ…

千「ウウッ…」

さっきまでの作り笑いはもうできなくなっていた。

ニカ、俺、こんなに我慢してんだよ？

絶対幸せになってくれないと許さないんだからね！

心ではそういっておきながらも流れ落ちる涙は止められない。

ここは楽屋だとか、誰かが入ってくるかもとかそんなこと考える余裕もなくなき続けた。

―ガチャ―

ドアが開く音が聞こえた後、ほっとするようなぬくもりを感じ、孤独感から救われた。

玉「溜め込みすぎちゃダメだよ？…千ちゃん」

千「たまああああ(泣)」

やさしい…たま…すきだああ！

ニカへの感情とは違うけど好きだたまああああ！

たまに抱きしめられたまま、声を振り絞ってさっきニカに言えなかった言葉を玉に伝える。

千「たま、すきいいいいっ！」

なぜかすっきりした。

そういう意味じゃないってことはちゃんと伝わってるはず。

玉「うん、俺も好き」

そういいながら頭をなでてくれる玉がちょっとかっこよくみえたのはナイショ♪

よし！俺も前を向かないと！

俺は一人じゃない、そう思えた。