12話 ページ12
(2 side)
ミツにアタックするって決めたし、今日は早めに行って待ってよ〜♪
なんて呑気なこと思いながら楽屋のドアを開けようとすると・・・
なんかすすり泣く声が聞えるんだけど！！
怖い怖い助けてよ！！！！！
でも、近くには俺しかいないし・・・
「行くしかないか」
そういって恐る恐る声のほうに行ってみると
そこにはなんと、愛しい人が・・・・！！
なんで？どうしたの？
人前で泣くことの少ないみつが、誰の通るかわからないこの廊下で
まあまあな声で泣くなんて
こんなにミツを苦しめてるのはいったい何？誰なの？
戸惑いと怒りでどうしようもなくなった俺は、おもわずミツを抱き締めていた。
「にか・・・っ」
俺に見つかったという恥ずかしさからだろうか
みつは声を押し殺し、涙を止めようとしていた。
そんなミツをみてると、こっちが苦しくなってくる。
「いいよ、我慢しなくて」
みつは俺に全部を委ねたように泣き出した。
・・と同時に、自分が口にした言葉になぜか聞き覚えを感じた。
・・・あ、昨日千賀に言われたことだ。
あれ？昨日の俺を見てこんな気持ちになる？
それって、俺がミツに対して抱いてる気持ちと一緒？？
「にか・・？もう大丈夫。ありがと」
「あ、うん」
あれこれ悩んでる間にいつものミツに戻ったみたいだった
「にか、お前のほうこそ何かあったか？」
「え？」
「お前、俺抱き締めてる間、すげー苦しそうだった」
・・・ここまできて分かんないなんて、鈍感にもほどがありますよおじさん(笑)
でもここはうまく・・・
「大好きなうちのおじさんの泣き顔が面白くて笑いこらえるのに必死だったんです〜」
「なんだとごら！どういう意味だよそれ！」
「そのままの意味で〜す(笑)」
ごめんね、嘘だよみつ
俺も素直じゃないな〜
「みつ、みんな来てるかもだし、もどろ？」
「おう！ほんとさんきゅ」
「いいえ〜」
ミツも可愛いけどさ、そう考えると千賀も意識してみようって思ってきた・・・。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：せり | 作成日時：2017年3月31日 10時
