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白石side







「耕作がね・・・やっぱりトロント行っちゃうって、」







そういった石川先生は、寂しそうな目をして外を見つめる。

ちょうど通った飛行機をみて、ひとつため息をついた。






「しかもね、プロポーズされちゃって」

白石「えっ?!」

「白石先生にしか言ってないんだから、言わないでね?」

白石「・・・なんて返事したの?」

「・・・・・・まだしてない。」







あれだけ藍沢先生のことが好きで、
同期の私たちにも見せない顔をお互いに見せあって。

それなのに、どうして保留なんてしたんだろう。







「だってさぁ・・・トロントだよ?」

白石「・・・え?」

「なんで?って顔してたから。」

白石「そりゃ思うって。あれだけ相思相愛だったら即決だと思ったんだけど」

「結婚しても離れ離れって・・・重荷にならないかな」







自分のことを思っているわけじゃない。
藍沢先生のことを思って、考えているんだ。





白石「・・・いいんじゃないかな。
確かに、新婚で離れ離れって辛いと思う。
一度別れたことのある2人だったら尚更。
でも、藍沢先生は石川先生だから“この人とならどんな試練も乗り越えられる”って思ったんじゃないのかな。
少なくとも・・・藍沢先生の重荷になるなんて、絶対にないと思う。」








1番近く、とは言わない。
それでもフェローの2年間、帰ってきたからの数ヶ月間、そばで2人を見てきたつもりだ。

2人なら、どんな壁をも超えられることができるはず。
同期として、親友として、私が保証する。








「・・・白石先生っ」

白石「ほら、泣かないの。
・・・ちゃんと藍沢先生に気持ち伝えてきな?」

「うん・・・ありがとう。」







右目から涙を流した彼女を、藍沢先生の元へ送り出した。

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作者名:なつ | 作成日時:2017年9月18日 22時

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