Tu es mon bijou . 1 . (ページ27)

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『 Wait , Scotch(待って､スコッチ) ! ! 』

｢くｯ … ｣

｢ … 何を焦っているんだ､スピリタス｡裏切り者(ネズミ)の始末くらい､俺一人で十分だが｣

諸伏(スコッチ)の酷く焦った様子に､栗花落(スピリタス)は平然とした態度(ポーカーフェイス)が抜け落ちた｡

ライの困惑した声を聞かず､かつかつ _ と銃を自身の左胸に突きつけた諸伏(スコッチ)に歩み寄る｡

『 … NOC (ノック) だったなんてね ? 』

｢どうしたんだ､スピリタス｡様子が可笑しい … 此処は俺に任せろ｣

『言っておくけど､ライ(あなた)の正体も知っているのよ ? 不穏な行動は避けた方が良いわ』

｢ｯ … ｣

栗花落(スピリタス)は " ライの正体 " 発言で動揺を誘い､その隙に諸伏(スコッチ)の持つ拳銃(リボルバー)を蹴った｡

栗花落(スピリタス)は右腰のホルスターから " MAS 50 " を抜き､同じく左胸に突きつけた｡

そして､ " 悲哀 " に歪む諸伏(スコッチ)の右頬に左手を添え､唇を重ね合わせた後に引金(トリガー)を引いた｡

｢ … ｣

｢景光(スコッチ) ! ! ! ｣

『 " 裏切り者(ネズミ)は始末されるしか無い " _ そう言ったはずよね ? 零さん(バーボン) 』

｢スピリタス … ! ! 人を殺さないあなたがｯ｣

鮮やかな紅色(くれない)の華を咲かせた諸伏(かれ)の左胸に顔を寄せた降谷(バーボン)に冷たい言葉を浴びせた｡

がつん _ と鈍器で殴られたような衝撃を受けた降谷(バーボン)は悔しそうに顔を歪めた｡

『勘違いしないことね｡組織の人間なら(・・・・・・・) ､理解出来るでしょう ? 』

去り際の降谷(バーボン)の横顔は酷く､脆く､壊れかけの人形のようだった｡

" 諸伏景光 " の夢現 _ 3