中堂さんの妹。【3年A組】lll

episode67 ページ2

「先生……」




手当用に渡されていたタオルを濡らし先生の額にのせた。




「こんな事になる前に言えば良かったのに、先生」





「先生ずっと具合悪かったの？」




「そんな素振り見せてなかったけど」



「ねぇ、Aとあんたは気づいてたんでしょ？」





香帆に言われ夕方先生が美術室で苦しんでいた姿を思い出す。





「どっちにしろコイツはこれで終わりだ」





確かに、そうなのかもしれない。

このまま先生が目を覚まさなければきっとみんなはここから出ようとするだろう。




でもそれで本当にいいのか？






「皆！美術準備室開いたって！」





熊沢の声に教室で待っていた面々は喜ぶ。






「A、俺達も行くぞ」




「ごめん、私はいいや。先生の様子見てる」





「……そっ、携帯だけ取ってきてやるよ」





「助かる」





教室から出ていくみんなを見送った後先生に視線を戻す。






あの苦しみ方は普通じゃあない。




調子が悪かったにしてもおかしすぎる。






何かの病気……？




だったら立てこもりをした理由って…。









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