深山先生の妹。

episode21 ページ22

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ビービービー！



けたたましい警報音が静寂に包まれていたはずの教室に鳴り響いた。

途端、流れるのは切り裂くような柊せんせの声。




「最初の犠牲者はお前だ」




目の前にいた中尾をロックオンしたせんせは今朝甲斐から奪い取ったナイフで中尾を刺した。






「嘘でしょ、蓮！蓮！！」



劈くような悲鳴と、必死に横たわる中尾に声かける水越だが応答はない。



「ほんとに殺 したのかよっ！」








今日の授業はここまでと言い去っていったせんせとその後をついて行った茅野ちゃん、動揺と恐怖で揺れ動く教室のロッカーに私は再び腰かけた。






「さすがは美術担当だねぇ」




中尾は死 んでない。


多分、あのナイフは甲斐が持っていたものじゃなくてよく似たスタンガン。刺したと思われた瞬間に気絶させたんだろうね。身体の痙攣具合から見て刺されたショックではなく、電気ショック。




極めつけは、あの血。



俗にいう血のりよりか精巧に作られてるし先入観もあって本物だと勘違いするだろうけど、あれネットでまぁまぁな値段で売ってるから。


刺殺事件のシュミレーション手伝ったときに明石さんにぶっかけた記憶がある、さすがの私も気が引けたけどお兄ちゃんがやるからには似せなきゃ意味ないとか言ってたっけ。




つまり、私以外は中尾が殺 されたと思ってる。



そしておそらく、柊せんせは私が見抜くことを分かったうえで何もしかけてこなかったんだ。私がみんなに中尾は生きてる！せんせは嘘ついている！って言うはずないと。





「人の手のひらで転がされんのはいやだなぁ」




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