１３１話 ページ36
夜久side
端から見ればただ餌付けされている犬だ。
差し出された食べ物に見境なく食い付く様子に、俺はため息をもらした。
正直、内心穏やかでいられない。
赤葦がAにキスしたのもイラッとしたし、さっきのスガ君のあーんにもはっきり言って嫉妬した。
でも、俺が大人気なく気持ちを露にしたら、Aは今以上に戸惑うだろうし、最悪傷つけるかもしれない。
好きな相手を困らせてまで、自分の気持ちを優先させる程の図々しさを生憎持ち合わせていないのだ。
でも、もっとAに意識してもらう為にはグイグイいかないとだよなぁ。
俺だって本気な訳だし。
海「夜久……？大丈夫か？」
箸止まってるぞ、と心配そうに俺を見ている海。
夜久「悪い。全然平気。
ちょっと考え事してただけだから」
笑って誤魔化す。
海って副主将ってだけあって周りをよく見てるし、気遣いも上手。
旦那にするならこういうタイプがいいよな。
あ、でも、Aは譲らない。
海「夜久の考え事っていうのは、Aの事か？」
グッと喉に何かが詰まる。
それをなんとか水と共に流し込んで、ぷはっと息を吐く。
鋭い……。
実はエスパーとか？
海「悪い、そこまで動揺するとは思わなくてさ……」
苦笑を浮かべて、大丈夫か？と聞く海。
うん。やっぱ気遣い上手。
海「俺も、Aが好きだからさ。
Aの事考えてたんだ。
……Aは、眩しいよな」
いつもの落ち着いた表情に少しだけ寂しさが混じったような顔でそう呟く海。
海「いつも、いつの間にか輪の中心にいて、楽しそうに笑ってて……。
だから、俺も夜久もホレちゃったんだろうなって思う。
ほんと、魅力的だ」
夜久「そう、だな……」
なんかAが遠い存在に思えて来てしまった。
『あ、衛輔さん！海さん！
体育館まで一緒に行きましょ！』
昼食を終え、練習の為に体育館に海と一緒に向かっていると、パタパタと俺達を追い掛けて来たA。
夜久「烏野は？」
思わずそう聞いてしまった。
烏野と行くもんだろう、と思っていたから。
するとAはえ？と声をもらして小首を傾げた。
『なんで烏野ですか？』
夜久「いや、だって昼食一緒だったし、その流れで一緒に行くんだと思ったんだけど……違ったか？」
『有り得ないですよ〜。
それに、僕のチームは音駒なんで、他校との親睦より、チームメイトの親睦の方が大事です！』
続く (更新停止中)
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サクラ - Luneさん» ありがとうございます！更新頑張ります!! (2019年7月30日 13時) (
レス) id: 9cd941d146 (このIDを非表示/違反報告)
Lune - こういう感じの作品が見たかった..(感動)もう最高すぎです!面白いし、もうなんかとにかく好きです← 更新頑張ってください!応援しております！！ (2019年7月27日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - キラリさん» ありがとうございます！応援に応えられるよう、頑張りますね！ (2019年3月27日 7時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ(プロフ) - あの......好きです！笑 これからも頑張って下さい！応援してます！ (2019年3月26日 3時) (レス) id: 203d4207d9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ファンミさん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年3月23日 20時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サクラ | 作成日時：2019年2月16日 16時
