男装少女は音駒の１年セッターで、あの人の双子です！マジかthird！

１２０話 ページ25

日向side



あれ……。


日向「Aがいねぇ……」


アップをしながら体育館中を見回してみるが、ベンチにもコート外にも、ましてやコートにもAの姿はなかった。


Aが合宿に参加しないなんて有り得ないと思った。


合宿の事を聞いてすぐ、Aにメールをすると、僕も楽しみだ！と行く気満々といった返信があった。



日向「なあ影山。


Aは合宿来ねーのか？」


近くでアップを取る影山にそう聞いた。


影山「ああ、Aなら」

澤村「おーい！ふたり共準備出来たかー？」


「｢はい！｣」


ふたりで声を揃えて答えて、ベンチへ向かった。


大地さんの声に遮られてしまって結局Aの事を聞けなかった。



＊



俺と影山は森然との試合に参加している。



日向「あっ！谷地さん危ねぇ！」



ブロックの手の端に当たったボールはその勢いをほぼ保ったまま、コートの外の、ドア近くの得点板の方にとんでいった。

その近くにいた谷地さんに当たりそうだ。



谷地「わ……！」





「危ないっ！」






日向「……あ……！」






バシンッ！



ボールが何かに当たった鈍い音が体育館に響いた。



抱き締めて、谷地さんをボールから守ったソイツには確かに見覚えがあった。




『大丈夫!?痛いところは……!?』


谷地「あ、ありません……！」



谷地さんの答えにホッと息をつくソイツ。



『良かった。気を付けてな』

谷地「は、はひ……」









日向「A!!」


『久しぶり、翔陽』


ニカリとAは笑顔を見せた。

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