110話 ページ14
黒尾side
夜久「遅いな、A」
海「Aが遅刻なんて珍しい……」
山本「寝坊っすかね?」
Aが部活を早退した翌日の朝練。
いつも来ている時間になっても、一向に姿を現さないA。
そんなAを心配し始める夜久達。
黒尾「……まぁ、そういう日もあるだろ。
朝練始めるぞ」
部員達は顔を見合わせ、まだ引きずりつつも、各自準備運動を始めた。
"そういう日"なんてAにある訳ないと心で分かっている。
"そういう日"だったとしても、原因が自分にあるなんて、俺が1番分かっている。
でも、なんとなく他の奴等には言いにくかった。
昨日、Aが早退した後、猫又監督は体育館に来なかった。
今日もまだ来ていない。
『僕、しばらく休みます。
猫又監督には伝えてありますから』
Aはそう言ったから、監督が何か知っているのは確かだ。
後で聞いてみるか……。
?「……クロ」
黒尾「研磨……。なんだよ」
横から声がして、そっちを見ると、研磨が立っていた。
何を考えているか、分からない顔で。
俺を真っ直ぐ見据え、真剣な目だ。
孤爪「あのさ__」
?「全員揃ってるかー?」
わざとではないが、監督が研磨の声を遮って、体育館に入ってきた。
夜久「まだ、Aが来てません」
夜久の答えに、驚く様子もなく、そうか、と呟いた監督は、集合するよう、俺等に言った。
各自が作業を止め、監督を囲うように集まる。
座っていい、と言う監督の指示で座った。
猫又「ひとつ言っておきたい事があるんだ。
Aについて、だ」
ドキッとした。
俺との事が原因で部活を止めていたらどうしよう、と不安になる。
猫又「Aはしばらく休みだ」
犬岡「休みってどういう事ですか?」
芝山「どうして……」
灰羽「あの、Aが?」
驚いた様子で、1年は言った。
猫又「言葉の通りだ。
しばらく学校を休む。
理由は……本人に聞いた方がいい」
猫又監督は、以上だ、と言って、体育館を出ていった。
俺等はその後ろ姿を見つめ、黙るしか出来なかった。
海「しばらくって、どのくらい……?」
芝山「合宿も休みって事ですかね……」
山本「全然分かんねぇ……」
夜久「とりあえず、Aに電話してみる」
そう言って、夜久は部室に携帯を取りに行った。
黒尾「A……」
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サクラ - Luneさん» ありがとうございます!更新頑張ります!! (2019年7月30日 13時) (レス) id: 9cd941d146 (このIDを非表示/違反報告)
Lune - こういう感じの作品が見たかった..(感動)もう最高すぎです!面白いし、もうなんかとにかく好きです← 更新頑張ってください!応援しております!! (2019年7月27日 23時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - キラリさん» ありがとうございます!応援に応えられるよう、頑張りますね! (2019年3月27日 7時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
キラリ(プロフ) - あの......好きです!笑 これからも頑張って下さい!応援してます! (2019年3月26日 3時) (レス) id: 203d4207d9 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ファンミさん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2019年3月23日 20時) (レス) id: 086eed9c24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サクラ | 作成日時:2019年2月16日 16時