血 (ページ7)

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目が覚めるとまず全く見慣れない天井が視界いっぱいに広がった。

ここ、どこ…
あれ、私なんで寝てたんだっけ…。

痛む首を摩りながら起き上がった。

そうだ、思い出した。
誰かに首、絞められたんだ…

よく生きてたな、私。

なんて、ふざけたようなことを思うが手は微かに震えていた。

周りを見渡すと、窓が１つとシンプルなクローゼット、それから自分の寝ていたであろうベッドだけが一室に置かれてある。

ベッドについて詳しく言うと、白のこれまたシンプルな物になってるがプリンセスベッドという小さな女の子が憧れそうなベッドである。

極め付けは、人間が5人ほど寝られるキングサイズ。

『ゲホッ、ゲホッ、痛…っ』

喉がまだ潰されているような感覚が残っていて気持ち悪い。何より痛い。

ベッドから降りようとすると、足首に違和感を感じた。

布団を捲ってみると、そこには囚人が着けられている様な鎖が纏わりついていた。

驚いて声も出ず、口はポカンと開いたままになった。

どうして、誰が、こんな事…
そこまで考えてピンときた。

きっと、というか間違いなくジョングクだ。

けどどうしてこんなモノを持っているのか理解不能だった。

動く度に鳴る耳障りな音がうざったらしくて、眉を顰めた。

「あー！ホントだ！流石グク、なんでも出来ちゃうねっ」
「感謝して下さいよ」
「はぁい。うわー昨夜ぶりだね、Aちゃん！」

ガチャリとドアを控えめに開けたと思えば、
私を見た瞬間表情を輝かせて最後にはドアを思いっきり全開にした、昨日とは違ういつもテレビで見る様な、元気なテヒョン。

その後ろには私を気絶させたであろうジョングクの姿もあった。

彼の言葉には何も返さず、まだ眉を顰めたままそっぽを向いた。

ベッドが少し沈んだと思ったらいつの間にか横にきて胡座をかいていて、じっと観察するように見てきた。

「その足のヤツ、気に入ってくれた？」

薄暗い部屋で微かに分かるジョングクの表情は、あどけなくて幼くて、何故か鳥肌が立った。

可笑しい、絶対可笑しい。
気にいる訳がないでしょ、こんな人の自由を奪うような道具を。

睨みつけながら
『冗談言ってないで早く解放して』
と言うと、ふふっ、と隣から鼻で笑う音が耳に入った。

テヒョンの方を向くと、ずっと見ていたのか未だに視線は私で、そっと優しく頬を撫でてきた。

あまりにも愛おしそうに撫でてくるので、驚きのあまり目を見開いた。

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