code blue：1

027 ページ28

.




藍沢side




こいつの前だと
自分が制御出来なくなる




恋人でもないのに
抱きしめて、キスをして。

こんな俺のことを
Aはどう思うのだろうか






藍沢「A？」

「ん...？ごめ、もう眠いやぁ、」





肝心のコイツは、というと
さっきのことも気にしてなさそうに
欠伸をしながら 目を擦っていた


時計をみれば、もう1時
当直でもないし、いつ寝ても自由だ。


藍沢「俺も眠くなってきたな...仮眠室いくぞ？」




Aと仮眠室へ行こうとするも
反応がなく、もしや と思い顔を覗くと
こないだと同じ顔で寝ていた



いつもだったら
女の1人や2人くらい簡単に運べるのだが、
生憎 俺も睡魔に襲われていてそれどころではない



いつの間にか絡まっていたAの指の温もりを感じながら
ゆっくりと目を閉じた




*



名取side



本当はやるつもりの無かった当直
かなりめんどくさい
早く家に帰って寝たい


スマホで今日あった出来事をチェックしながら
自分のデスクへ行こうとすると
ソファには 見慣れたコンビの姿





名取「寝てるし...笑」




この人たちが付き合っていた、というのは
はじめはにわかにも信じ難い話だと思っていた



優しくて誰からも愛される
周りのことを考えて行動する石川先生

一匹狼的存在で冷たく
協調性皆無な藍沢先生




絶対値は等しいだろうが、
符号が真逆な2人がなぜ＿＿




でもそこには
俺達...いや、シニアドクターの方にもわからない
2人だけの歴史(とき)があるのだろう





手を繋ぎながら寝ている2人をよそに、
ノートパソコンと重たい瞼を開いた






.

028→←026

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す