恋 彼らのお話2

トクベツ　しんご1 ページ29

ふたりで一緒にライブの映像見とったん。
ついでにMC集も。
いろいろ考えるとこはある。
感慨深いし反省点ももちろん。

きみも俺も真剣に見てたよ？
でもMC集見てて、ふと気づいたことが・・・


ちょっと触りすぎとちゃいますか？
いくら触り心地がええからって。
ことあるごとにたつとふたりで代わる代わる。
そぉんなにエエですか？
マルの体は。
いや、かわええのはわかる。
俺もなんやかんや引っ付きに行ってる自覚はある。
アンタさんがマル贔屓なんも知ってる。
せやけど、なぁ。

｢どした？｣
眉間にシワがよってきた俺の顔、除き込んできた。

｢具合悪いん？｣
｢んー。んなことはない｣
｢なら、どうしたん？怖い顔して｣
｢なんでもない｣

ムスっとしたまま残りのビール飲み干した。

タイミングよく
ｵﾌﾛｶﾞﾜｷﾏｼﾀって機械音。

｢ほな、風呂いってくるわ｣
何か言いたげなきみを放って風呂に向かう。

ザーザーと熱いシャワー浴びて
ガシガシと強めに頭洗う。
嫌な気分も一緒に落とせればいいのに。

可愛いげないヤキモチ。

相手はマル。

どう足掻いてもアイツには勝てん。

可愛らしくて繊細で、でも誰よりも真っ直ぐで強い。
俺が育ててきた子やもん。
俺が一番よく知ってるし、俺のこともわかってくれてる。
ホンマはきみかて俺なんかよりもマルのほうがええやろ。
わかってるもん。
きみがマルに惹かれてたってこと。
オークラと付き合う前。
アイツと終わった頃。
ホンマは自分が支えたいって思うとったやろ？
へこんだ時は手ぇ差し伸べるつもりやったやろ？
ずっと見てたからわかる。

｢ゆうちん｣

あの甘ったるい声でマルに呼ばれると
いつだって口許が緩むのも。
自分じゃ全く気づいてないやろ？
アンタのクセみたいなもん。
たぶん俺しか知らん。


あぁ。どないしよ。
シャワーと一緒に目ぇから違うのんが流れてくる。

どんどん溢れてくるから
鼻水まで出てきよる。

かなわんなぁ。まったく。
ちょっと逆上せて、もうなぁんも考えられへん。

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