恋 彼らのお話

雛鳥は飛んでいく　ゆう1 ページ5

ライブ終わり珍しく雛から

｢飲みに行かへんか？｣

ってお誘いが。
さっきから雛の様子がなんかおかしい。
ライブ中はいつもと同じやったのになぁ。
なんかあったんかって俺も珍しく誘いにのった。
車乗って移動してる間も
ぼんやりしてる。
よっぽどのことがあったんやろうな。


スタッフが用意してくれた居酒屋は
こじんまりしてるけど
個室もあって落ち着く雰囲気。
とりあえずのビールで乾杯したら
ジョッキ半分一気に飲み干した。

｢あぁ。うまっ｣

ライブの後のビールは格別。
いつもならホンマに美味そうにビール飲むはずなのに
やっぱり雛は浮かない顔しとる。

｢で、どうしたん。今日おかしいで｣
｢おん。ちょっとな｣
｢なんかあったんなら聞くで。言うてみ？｣
｢んー。あんたに先に相談したかったん。
まぁ、メンバーにも話さなアカンことやしな｣

ちょ、待て。
なんかヤバイことあったんか。
まさか、またどっくん？
おーくらってのもあるな。

｢また誰か撮られたん？｣
｢あぁ、ちゃうねん。そんなんじゃなく。マルがな・・・｣
｢何？マルぅ！｣

マルがどないした！
うちの・・・いや、俺の可愛いマルに何かあったんかっ

｢あんた、ホンマにマルのことになると・・・｣
｢うっさいわ。マルがどないしたん！｣

言いづらそうに、複雑な顔して
雛が話始めた。

｢あんなぁ。今日ライブが始まる前にな・・・｣

雛が話し始めたんは
今日のライブ前、またマルがフリーズしてたってこと。
前まではそんなときはアイツがマルを解してやってた。
それは俺も知ってるし、アイツとマルの絆は
俺らにはわからん強いもんやったって思ってる。
アイツがおらんくなった今、それは俺も心配やった。

けど、何がそんなに雛悩ませとんねん。

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