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髭 たつ2 ページ18

結局。

俺たちはいつものカタチになった。

受け入れたいのに臆病な俺の体は
隆平のソレを締め付けて押し出したから。

「俺がヘタっぴやったから」
隆平はシュンと眉毛を下げたけど
怖くてたまらなくなっただけ。

痛みへの恐怖じゃなくて
快感への恐怖。
溺れてしまいそうやった。
扉を開けてしまったら、きっと戻れなくなる。
隆平はどっちがええんやろ。
なぁんも考えずに抱いてきたし
それが普通やと疑いもしなかった。

もしも。
隆平がしたいと言ったら。
今まで抱いてきたほうやったとしたら。
まぁ、俺の知ってる範疇やったらそれはないけど。

隆平がしたいならそれでも・・・ええ、よ。

「りゅぅ、どっちがええ?」

選んで。
どんな隆平でも愛してるから。

「いつもみたいにシテ。
やっぱり俺はたぁのネコさんがええ」

へにゃん、とした情けない笑い顔で
俺に手を差し出す隆平を抱き寄せた。
ゴワゴワ髪も肌に刺さる髭も
男の匂いを放つ汗さえも
この世で一番愛らしく思える。

たぁ、んっ、、

勃ちっぱなしのソコを掴んだら
甘い声が漏れた。

スイッチが切り替わって暴走しそう。

さっきまで雄々しかった髭面が歪んで喘ぐ。
向い合わせで攻め続けるのは
顔を見てしたいから。

求めて求められて、繋がる。
ソコが隆平に沈む頃には俺の奥底の疼きは消えて
目の前の可愛い子猫を可愛がるのに夢中になった。



お互い欲を吐き出した後

「たぁ、可愛かったのにな」
残念そうに隆平が呟く。

「どうなるのか見てみたかったのに」
「ええよ、そんなん見んで」
「まぁ、ええか。たぁの違う顔、ちょっと見れたし」

「なぁ、りゅぅはホントはどっちがええの?」
思いきって聞いてみる。

「んー。わからん」
「え?わからんて何で?」
「シタコトナイモン」
「へ?」
「シタコトないの。そっち。やからわからん」

真っ赤になって答える隆平に正直ほっとした。

やって、あるって言うたら
あの人たちってことやろ?
それってちょっと・・・なぁ?

「たぁがしたいんなら頑張ってもええで」

ひひひ、って笑う悪い顔。
いつぞやの弁護士さんの役みたい。
あれ?
あん時どうしてたっけ?

ちゅっ、と言葉の合間にキスをするたび
ざらりと髭が肌に触れる。
こそばゆい、けどやっぱりちょっと気持ちええ。

ヤバイ。

これはこれで癖になりそう。
出そうになった甘い声を慌てて飲み込んだ。

髭、その後 りゅう→←髭 たつ1



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kkoyanagi(プロフ) - ずっーーーーーと冬でいて欲しい (2022年12月19日 12時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - kkoyanagiさん» 冬がくると書きたくなるみたい笑 (2022年12月19日 10時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - あーちゃんさん» ひさしぶりに書いてみました。いろいろあったけど元気でやってるみたいです (2022年12月19日 10時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ヤッホー!!昨日「ニコイチ」まで読み返してた所だったのでめっちゃ嬉しいです。 (2022年12月19日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - あぁ たつとりゅう⋯ (2022年12月18日 1時) (レス) @page49 id: 48bf44c3b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cayochi    | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月17日 10時

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