少しだけ きみたか1 ページ33
｢ただいま｣
玄関開けたら電気点いとらんかった。
今日仕事早く終わるんやなかったっけ。
俺もなるべく早ぅ帰れるように頑張ったんやけどな。
｢信五、おらんの？｣
リビングのドア開けて声かけたけど
返事はない。
ふぅ。なんだかなぁ。
ため息ついてポッケからスマホ出す。
チカチカとメッセージが入ったことを
ランプがお知らせしてくれてた。
ディスプレイには
『信ちゃんは預かった』
マルからのひとこと。
あぁ、下におるのか。
きっと今頃ふたりで飯食いながら
他愛のないこと喋ってるやろ。
マルとおるときの信五はちょっとだけ甘ったれになる。
ええなぁ、マルは。
俺に甘えるときとマルの前とちょっと違う顔すんねん。
ぼやぁっとスマホ見つめてたら
いきなりブブブと震えた。
『帰ってるんならお迎えに来て』
メッセージはもちろんマルから。
なんでわかるんやろ、ってのは愚問やな。
とりあえず部屋着に着替えに寝室へ向かうと
にゃぁぁぁん
チーちゃんが足にすり寄ってきた。
｢おぉ、ただいま｣
声をかけたら
んにゃ、と答えて鼻先でふくらはぎを押された。
はよ行ったり、とでも言わんばかりに。
チーちゃんも無条件に信五の味方やし。
｢はいはい。着替えたら行ってきますよ｣
返事をすると当然やってスンと澄まして行ってもぉた。
なんやねんなぁ。
俺かて信五に会いたかったわ。
まぁ、ええか。
今夜はいつもよりは時間あるしな。
さっさとマルんとこ迎えに行こ。
一緒に風呂にでも入って
たっぷり可愛がったる。
明日はふたりとも午後からやし。
ぱぱーっと着替えてスマホと鍵だけ持ったら
玄関でサンダル突っ掛ける。
｢行ってくるわぁ｣
って言うたら
奥から鈴の音がした。
手ぇでも振ってくれたんやろか。
ドアを開けたら
むわんとする夏の空気。
ビール飲みたい。
信五はやたらと美味そうに飲む。
その笑顔思い出したら
なんや嬉しなってきた。
はよ、会いたい。
1分もかからんで到着すんのに
それすらももどかしい。
｢ただいまぁ｣
ピンポンも押さずに次のドアを開ける。
ととととと、っと信五が走ってきたからぎゅっと抱きしめた。
赤い顔の可愛い子が耳許で囁く。
｢きみぃ、おかえり。会いたかった｣
一応人んちの玄関先。
ひょっこり覗いてるマルが笑ってんのが見えた。
｢おかえり。ゆうちん、はよ持ってかえり｣
｢おん。ありがとな｣
滞在時間30秒。
可愛く酔った信五の手ぇ引いて
さっき開けたばかりのドアをまた開ける。
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cayochi(プロフ) - こおあさん» わぁぁ！ありがとうございます。随分前に書いたものをよんでも頂いているなんて、作者冥利につきます！最近エイト兄さんのお話が少なめですが18祭もありますし、再燃すると思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです (2022年6月20日 19時) (
レス) @page2 id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - 春色が好きで定期的にみにこさせてもらってます！ヨコヒナ最近少ないので素敵な小説が読めて幸せです！ (2022年6月20日 6時) (レス) id: ef19d181f3 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます！超亀更新ですが、よろしくおねがいします (2022年1月9日 17時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - 素敵小説でにまにましました、これからも応援してます！ (2022年1月9日 11時) (レス) @page44 id: ef19d181f3 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» 信五さんの髪の毛、意外と触り心地良さそう。ヨコヒナは幸せ案件です！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cayochi 
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月9日 4時
