アフレコ ページ45
見ると、肩に掛けられたのはハクの着ていた白い羽織だった。私はびしょ濡れだから、この羽織まで水浸しにしてしまうことは確実なのに。
「ああっ、ハクったらやっぱりかっこいい! もう、私を滅茶苦茶にしてぇ……」
「リカさん、変なアフレコ付けないで下さいっ!」
私は頬が赤くなるのを感じながらリカさんを振り向いた。ニヤニヤと笑っているのを見て、また絶好のネタを与えてしまったのだと感じた。
「だって、ハク様ったら(人1)のこと心配してくれたんでしょ? 素敵じゃない! このまま復縁してしまえば? それより、アフレコって何?」
「……ッべ、別に良いでしょう! 早く行きますよ!」
「きゃぁ、照れてるっ」
私は羽織の胸元を片手で引き寄せ、リカさんの先に立って歩き出した。ああ、自分もハクのように、こんな時も泰然とした態度で居られると良いのに。あんな意味ありげな行動をされるとつい期待してしまう。
ああもう、私の馬鹿っ!
「……あら? (人1)、今日は桜の簪着けてないのね」
「ああ……あれはハク……ハク様に貰ったんです」
「そうなの? それは確かに付けづらいわ」
ハクと既に別れた自分があれを着けて良いのか分からなくて、朝散々簪と見つめ合った末結局は作務衣の懐に入れておくことにしたのだ。でも、一つに纏めた髪の上にあの桜が乗っていないと何故か落ち着かない。
明日からは髪、解こうかな。
そんなことを考えて歩いていると、私までもがくしゃみをしてしまった。
*
湯婆婆様が、舞を踊る時琴と笛を着けてくれた。
1人は普通の蛙男だったが、もう1人は普通の人型をした男の人だった。それも、私が酔っ払ってハクの部屋に泊まった時、朝の場面を目撃して湯屋中に私とハクが一夜を共にしたという噂を広めた人だった。彼は狐と人間の半妖で、名をしのというらしい。
私とハクの仲が良い時を知っているだけに少し気まずそうだった。
この日は美影さんに教わった巫女舞を踊っていた。巫女じゃない私が躍ってはまずいのでは、と言っても大丈夫大丈夫とはぐらかされてしまった。
鈴を振る手が少し痛い。
踊り終わると、何やらもこもこしたお客さんがにこやかに拍手をしてくれた。
「(人1)ちゃん、最初は荒削りだったけど、踊りも上手くなってきたじゃないか。ほら、これで美味しいもんでも食べな」
「えぇ!? 良いんですか!? 尽茂神様ったら相変わらず優しいんだから!」
田舎のおじいちゃんかよ! と思いながら、お客さんから輪に紐を通した数枚の銀貨を貰う。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
