見ちゃった系 ページ4
腕が……腕が……
「腕が痛いいいいい」
腱鞘炎になりそうだ。
涙目になりながらも大きな浴槽を擦り続ける。
私とミナさんが任されたのは湯屋で1番大きな浴槽。まだお湯の入っていない風呂場には沢山の従業員のざわめきがこだましていた。
ミナさんが溜息をついて額の汗を拭った。前髪がめくれるとどこか外国の風情を感じる綺麗な顔が現れる。
「あと15分でお客様が入るってよ」
「ほんとですか……」
絶望的な気分になるが、浴槽を磨く手を休めることは出来ない。湯婆婆様のバカヤローと心の中で呟きながらも仕事を続けた。
一心不乱に磨き続けてどれくらいの時間が経っただろうか。段々と周りの浴槽を磨く従業員が減ってきた。
と、フロント担当の湯女が駆け寄ってきてミナさんに何か耳打ちをした。ミナさんは話を聞き終えると眉を釣り上げて私を振り向いた。
「ヤバイよ、(人1)! もうお客様がお入りになるって！」
「えぇっ、もうですか⁉」
頭の中がパニック状態になる。手に持っていた束子を取り落とす。
ミナさんがそれを拾い、私の手に戻してくれた。
「もう風呂の掃除は諦めるしかないよ。私がご案内して来るから、(人1)は番台に余った札返してきて」
「はい！」
頷いて、裸足のまま風呂場を出る。足の裏に木板の感触を感じながら従業員の間をすり抜けて番長へ向かう。
すれ違った顔見知りの可愛い湯女が声を掛けてくれた。
「(人1)! 今朝もハク様とイチャついてたでしょ。もう、仲が良いんだから！」
「自慢の彼氏ですから！」
何故かすれ違う従業員にからかわれる。照れると更に面白がられるということを最近学習したので出来るだけ泰然とした態度で応える。
番台で余った木札を返し、風呂場へ引き返す。そろそろミナさんがお客様を案内している筈だ。
風呂場に入ると、もう既に殆どの浴槽にお湯が入っていて熱気が私を包んだ。
私達の担当の浴槽の前に行く。壁の向こうからミナさんのお湯がの好みを訊く声がした。
「うん、この桃色のお湯は好きだよ。よく僕の好みがわかったじゃん」
……あれ？
そのお客様は私に背を向けて、浴衣の前を開いたところだった 。背か高く痩せていて、神様にしては珍しく人の姿をしている。
もしかしてと思った時、男の人__美影さんが私を振り返った。既に帯を外し浴衣の前を開いているから身体の前面が見えてしまう。
私と美影さんが同時に息を飲んだ。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
