初めての景色 ページ18
左足首に激痛が走った。
私は涙目で既に立ち上がっている美影さんを見上げた。身長180�冂�の彼は、地面に座り込んでいる状態からだとバベルの塔くらいに高く見える。
「助けて……」
「何」
「立ち上がれない」
捻ってしまったらしい足首を指差す。少し間があり、彼は私の言わんとすることを理解したようだった。しょうがない子、と溜息を吐かれる。
「なに、すいませんね」
「いや……いいよ。今回の事は多分僕が悪いんだし。とりあえず足開いて膝ついて」
彼はつつ、と指先で地面を指差した。私は訝しく思って彼を見る。
「何ですか?」
「いいから」
そう言うと、彼は私に背中を向けて屈み込んだ。近くで見ると意外に細いその背中を見て、更に不思議に思う気持ちが増えた。
「美影さん、これは何のつもりですか?」
「何のつもりって、おんぶ。してあげるから、早く背中に乗って」
「……はい!?」
私は面食らって目を大きく見開いた。自分を見た後、美影さんの細い身体に視線を移す。
そして一番最近測った体重を頭の中で思い出してみた。それからもう1度美影さんの細い身体を見て……ぶんぶんと首と手を振った。
「いや、無理です! ゼッタイ! 美影さんの骨が折れますからっ」
「大丈夫だから。僕もこの姿勢辛いから、早く」
「大丈夫じゃないです! 絶対無理、ゼッタイ!」
「――つべこべ言うな」
不意に美影さんが私を振り返った。それもその道の人並みにドスの効いた表情で。私はひっ、と息を呑んだ。
「……ﾎﾝﾄｳﾆ､ﾀﾞｲｼﾞｮｳﾌﾞﾃﾞｽｶ?」
「大丈夫だって言ってんだろ」
「は、はい……じゃあ、失礼シマス……」
何故かびくびくしながら、捻った足を庇い体勢を整える。そして、恐々とその背中に触れてみた。顔と身体を近付けてみる。ふわりと、少し甘い香りが鼻孔をくすぐった。そろりとその背中に寄りかかってみる。
……なんか恥ずかしい。
「もっと体重掛けていいから」
「わ、分かりました」
全体重の九割五分くらいをその背中に掛けてみる。と、いきなり長い腕が回ってきて太ももの下を支えた。えっ、と焦っているうちにぐんと身体が地面から持ち上がった。美影さんは若干ぷるぷるした後、程なくして立ち上がった。一気に180�僂忙笋了覲Δ�開ける。壮観だった。
「う、やっぱ重いね……」
「だ、だから言ったじゃないですか! 重いって! それに美影さん筋肉ないんだし!」
恥ずかしさのあまり顔が真赤になり、美影さんの背中をぽかすか叩いた。
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美音 - なんだろう…美影さんを内山昂輝さんの声で再生してしまうの… (2022年1月10日 7時) (
レス) @page33 id: c6a6e435a8 (このIDを非表示/違反報告)
サリナ(プロフ) - 季紀さん» この書いた作品全てを消して悪女が出る作品を書いてください！m(__)m (2018年4月4日 17時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキ(プロフ) - 感動しましたので一度この作品の削除(変換)して夢主とハクが結ばれる作品を書いてくださいませんか？お願いしますm(__)m (2018年3月28日 10時) (レス) id: 1722f61193 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 紫蘭さん» はい、してます！笑 というかばり白澤様です笑 (2017年1月23日 9時) (レス) id: e2d49320a9 (このIDを非表示/違反報告)
紫蘭(プロフ) - 間違いだったらすみません……。白澤様がどうして『鬼灯の冷徹』の白澤様にしか見えません(´；ω；｀)← もしかしてモデルにしてますか！？ (2017年1月21日 23時) (レス) id: 4fa9a25ace (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2014年12月28日 22時
