しびれる笑顔 ページ44
癖がかった黒髪が布地から素肌の出ている部分に触れて、私はくすぐったさにひゃっと声を上げた。上を向いている美影さんの片頬をぺちぺちと叩く。
「きゃー何すんの!? あなた癖っ毛なんだからくすぐったいのよ!」
「僕はいい気持ちだけど」
「感想が欲しいんじゃないっ」
でも、彼は一向に離れてくれない。私は引き剥がそうとするのを諦め、バランスを取るために後ろ手をつき溜息を吐いた。体温とか伝わってくるし、手が膝に触れているし……なんていうか、照れる。滅茶苦茶恥ずかしい。
仕方ない、一応「お客様として」美影さんに呼ばれたんだし、今回ばかりは我慢するか……
そう思った時に片腿に変な感じがした。見ると、美影さんが軽く歯を立ててのだ。せっかく我慢しようと思ったのに、堪忍袋の緒がぶちぶちっと切れるのを感じる。
「馬鹿ぁぁぁ! 何すんだよッ」
甘噛みされた方の膝を思い切り蹴り上げる。見事に美影さんの顎の下にヒットした。
「は、Aこそ何すんのさ……」
美影さんが痛そうに私が蹴ったところを摩っている。ああ、そういえば顎の下って人間でいえば急所だっけ……でも、美影さんは神様だから大丈夫。多分。
滅多なことでは死んだりしないだろう。
「変態は撃退しないと」
「変態というか、君の彼氏兼婚約者ですけど」
「……」
確かに、もし先程の場面を湯婆婆に見られていたら減給は確実だったろう。今更だが、苦痛に顔を歪めている美影さんを見て罪悪感が湧いてきた。後先考えずに行動してしまう自分を呪う。
「……ごめん」
小声で謝った。上半身を起こした美影さんの背中にそっと抱き着く。
「度が過ぎました。許してください」
耳をつけると、トクトクと心臓の音がしてきた。衣からは相変わらず良い香り。癖っ毛のかかる白いうなじを見上げた。
と、美影さんが丸くした手を口元に当て、ゴホンと小さく咳払いをした。
「……いいですよ。胸が当たっていることに免じて許してやろう」
「やっぱり変態」
「ただし、今度からは気をつけて下さいね」
「はい」
美影さんがよし、と微笑み、私の脇の下に手を入れて体を持ち上げた。ぐるりと方向を変えられ、彼の真正面へと持ち上げられる。優しい笑顔が私を見ていた。
「だから、抱きしめさせて」
女の子だったら全員とろけちゃうこと確実な笑顔と低くて甘い低音ボイスで言われる。私も例外ではなかったらしく、思わず赤面してから小さく頷いた。
彼は微笑んで、優しく私を抱き寄せた。
★ハクちゃまの秘密★
おかっぱと言われると腹が立つ。
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モッケ - 本当にごめんなさい、許してください (2015年6月27日 13時) (
レス) id: 7cabc5d692 (このIDを非表示/違反報告)
星宙(プロフ) - 季紀さん» 年がら年中からかわれてたら嫌になるもん！ おかすぃくないよー♪ やっちゃった…美影さん犯罪に手を出してしまった…←笑笑 (2015年5月23日 20時) (レス) id: d32e317eb5 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 星宙さん» からかいづらいと言われて喜ぶ人も私は初めて見た♪ おかすぃー♪ ハクさんピンチだね! 美影さんやっちゃってるし! (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 朱雀@忙しす先輩さん» テスト一週間前に修学旅行(TT) ね、あてちゃってるよね笑 (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
季紀(プロフ) - 杜さん» そこまで言って頂けて嬉しい(笑) ハク落ちになったら美影を、美影落ちになったらハクの中編をそれぞれ書く気でいます。夢主は変わりますがね(^^; (2015年5月23日 19時) (レス) id: 61b5a6cbc1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kiki
| 作成日時：2015年4月8日 18時
