君に救いを、己に罰を【wrwrd 】 (ページ3)

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Aside

ふと、目を開ければそこは宿屋のベッドの上だった。

久しぶりに夢を見た。

懐かしい、仲間と過ごしていた日々の夢。

俺はとある戦争で仲間を失って以来、いろんな国を渡り歩いていた。

時には修行のために、時には観光のために。

300年生きているということ以外は、俺は普通の旅人である。

思いきり伸びをして、いつも付けている布面を付けて身支度を整えたら、すぐに宿屋を出る。

今日は、建国記念日で祭りがあるという「我々国」に来ている。

屋台でたい焼きと言うものが売っていたので、朝ごはんがわりに買って、袋を抱えて歩きながら食べる。

広場に行く道を歩いていれば、そこかしこで幹部や総統の噂が耳につく。

どの幹部も個性的で血の気が多いとか、総統は特に変わり者だとか。

その変わり者の総統は、広場に設置された壇上で楽しそうに戦争について話していた。

黒いマントをなびかせ、金髪がキラキラと眩しい彼がふとこちらを向いたとき、俺は手に持っていた袋をドサリと落とした。

『……っ！？』

彼の強い意思が宿った青い瞳を、俺は知っている。

彼はグルッペン・フューラー。

俺がかつて居た軍の、総統だった人だ。

だけど、彼は俺の目の前で300年も前に死んだはず。

だから、考えられるのは一つ。

『やっと………、やっと転生した……！』

俺は、布面の下で懐かしむように笑った。