死神に堕落 其ノ捌(鶴見) ページ39
それから私は、体が甘く痺れるような感覚を残しつつ、その後を月島軍曹という無表情な兵士と共にした。用ができた鶴見中尉に代わっての一応の監視役である。なんせ、佐一君が同じ建物内にいるのだから。もしかしたら、隙を見て幼なじみのところへ行って助けようとするかもしれない。そう、警戒するのが普通だ。
でも、私にはそんな気持ち1ミリもなかった。佐一君もここにはいないアシリパさんもどうでも良かった。鶴見中尉と愛しあえることが出来れば･･･それで、梅子ちゃんを救えるなら、それで良かった。
｢Aさん、全て鶴見中尉からお話は聞いています。そのご友人であらせられる、梅子殿の眼の治療については、我々が全力で協力させていただきます。なんせ、鶴見中尉の奥方殿になられるお方の頼みですから。｣
｢え？お、奥方って･･･｣
私は、月島軍曹の衝撃の発言に思わずどもってしまう。
｢何か間違いでも？｣
｢いや、それは、話が飛びすぎというかなんというか･･･だいたい、そうなる段階に必ず行くとは･･･｣
｢おや？鶴見中尉からは、Aさんとは夫婦の契りを交わす前提でお付き合いされていると聞きましたが？｣
｢え･･･｣
私はその言葉に声を詰まらせた。別に、それが嫌だったわけではない。寧ろ嬉しかった。そう、鶴見中尉が私を本気で想ってくれていることが。
｢良かった･･･｣
私はそう呟きながら、酷く安堵した。それに、月島軍曹が少しだけ表情を緩ませた。
｢──それで、梅子殿のことですが渡米するのに当たっての航海には危険が伴います。ですから、我々と同じく27連隊の鯉登少尉の父君である、鯉登海軍少将に航海を任せていただきたい。｣
｢え？鯉登海軍少将?!あの、大湊要港部司令官の･･･？｣
私は、とんでもない海軍のお偉いさんの名前に目を丸くする。しかも、その息子がこの第7師団にいるということにも驚きながらも。
｢ええ。その際には、何人か兵士を護衛につけます。航海中も、陸に上がった後も何が起きるか分かりませんからね。あ、医者に関してはこちらで信頼している、確かな腕の持ち主のところへ行かせますのでご安心ください。｣
｢あ、ありがとうございます･･･！｣
私は、あまりにも話がトントン拍子に進むことに驚きながらも、なんとか月島軍曹にお礼をいった。後で、鶴見中尉にも直接いわなければとも思いながら。
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飴玉 - なんか凄い今更感……好きです…。鯉登さんのやつめっちゃめちゃ好きです………応援してます (2021年1月2日 22時) (
レス) id: ecd59cd0fd (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - めっちゃ良い。応援しとります (2019年4月4日 1時) (レス) id: 4d1438fad9 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(プロフ) - cjejpdさん» コメントありがとうございます！私も第7師団がかっこよくて大好きです！尾形はとくに！掛け持ちしすぎて、更新が不定期になりますが頑張ります！励みになります！ (2018年12月20日 1時) (レス) id: 58f787ff92 (このIDを非表示/違反報告)
cjejpd(プロフ) - こんばんは。突然ですが第7師団が大好きです！いつも楽しく読めています尾形が本当にかっこいいです。でもみんなもかっこいいです！更新をいつも待っています。これからも頑張ってください！ (2018年12月19日 22時) (レス) id: 909da3b77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ | 作成日時：2018年12月8日 20時
