死神に堕落 其ノ参(鶴見) ページ34
佐一君は、アシリパさんと出会って変わった。あの頃のように、優しく笑うようになった。それはまるで、元気だった梅子ちゃんと想いあっていたときに見せた、あの笑顔そのものだった。そこで私は思った。今の佐一君は、梅子ちゃんよりアシリパさんが大切なのでは、と。
アシリパさんはアイヌの少女だ。私たちは、ひょんなことから、目的を砂金取りからアイヌの金塊を探すことに変えた。それに、アシリパさんも一緒に同行してもらっている。彼女には、彼女なりの金塊を探す理由があるから。別に、アシリパさんがいなければ･･･とかなんて、私は思っていない。寧ろ、山での生活の仕方を教わり助かっている。彼女がいなければ、私たちは今頃、ヒグマの胃袋の中だ。でも、佐一君がアシリパさんに向ける感情が、私にはただただ苦痛で仕方なかった。
結局、金塊なんていつ見つかるか分からない。そもそも、やっぱりあるのかは不確かだ。それよりも、もっと確実に梅子ちゃんのために稼ぐ方法があるのでは？と、私はここ最近思うようになった。
でも、佐一君は金塊探しをやめない。それは、アシリパさんをこれ以上危険な目に会わさないように、と彼女に黙って2人で村を出た後も。佐一君は、アイヌの金塊を探すついでに、アイヌの金塊略奪事件の真相を突き止めるつもりだ。それはやはり、アシリパさんを大切に思うからこそ、彼女のために、彼女の目的を果たしてあげたいのだろう────梅子ちゃんよりも大切だから。優先すべきだから。
このときには私はもう、佐一君が信じられなくなっていた。頭がどうにかなりそうだった。
先日、山で襲ってきた兵士に、なぜ金塊を狙うか問われた。それに佐一君は｢惚れた女のためだ｣と迷わず答えた。でも、それは本当に梅子ちゃんなの？もしかして、それはアシリパさんのことじゃないの？
私は佐一君といるだけで、ドロドロとした感情が込み上げてきて、吐きそうになった。それは留まることを知らず、嫌でもそのドス黒い感情が溢れ出した。そんなふうに、佐一君を本格的に嫌悪し始めたときだった。
｢甘いものは好きか？小樽の花園公園名物の串団子だ。｣
そういって、目の前の死神･･･鶴見中尉が甘い菓子で誘惑した。
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飴玉 - なんか凄い今更感……好きです…。鯉登さんのやつめっちゃめちゃ好きです………応援してます (2021年1月2日 22時) (
レス) id: ecd59cd0fd (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - めっちゃ良い。応援しとります (2019年4月4日 1時) (レス) id: 4d1438fad9 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(プロフ) - cjejpdさん» コメントありがとうございます！私も第7師団がかっこよくて大好きです！尾形はとくに！掛け持ちしすぎて、更新が不定期になりますが頑張ります！励みになります！ (2018年12月20日 1時) (レス) id: 58f787ff92 (このIDを非表示/違反報告)
cjejpd(プロフ) - こんばんは。突然ですが第7師団が大好きです！いつも楽しく読めています尾形が本当にかっこいいです。でもみんなもかっこいいです！更新をいつも待っています。これからも頑張ってください！ (2018年12月19日 22時) (レス) id: 909da3b77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ | 作成日時：2018年12月8日 20時
