愛の逃避行 其ノ弐(鯉登) ページ18
そういって鯉登少尉は私の耳元で、子をあやすように囁いた。彼の吐息が耳にかかる･･･彼の匂いが間近に感じられる･･･優しく強く抱き締められる･･私はその状況に、敵であるはずの彼に、胸がキュンと高鳴ってしまった。だ、だめ･･･何を考えているの私！敵に恋なんて･･･いや、恋じゃないわ！でも、もうドキドキが止まらないよ！
そして、幾分も経たないうちに、私と鯉登少尉はドンッという音と共に、無事柔らかい地面に着地したのでした。
｢怪我はないか？｣
｢は、はい･･･おかげさまで･･･｣
私の下敷きになっている鯉登少尉がそう心配そうに目尻を下げながら呟く。そんな表情にも私はキュンとしながら、どもりながら返事をする。
｢あ、あの･･･｣
鯉登少尉から体を退けながら私は彼に声をかける。
｢何だ？｣
｢その･･･ありがとうございます！助けて？くれて･･･｣
飛行船から落ちたのは彼のせいなので、助けてくれたというのは違うかもしれないが、怪我しないようにしてくれたには変わりないので、一応礼を言った。
｢フン。それは、男として当然のことをしたまでだ。｣
そう鯉登少尉はそれが当たり前とでもいうようにいった。そんな男前なセリフを簡単にいってのける鯉登少尉に私はもう、心臓が破裂しそうになりました。胸がバクバクです！もう、ダメ･･･彼のことが好きで堪らなくて死にそうです。あぁ、なんてイケナイ恋を･･･
｢ん？顔が赤いぞ。熱でもあるのか･･･？｣
そういって鯉登少尉は私のおでこに自身のおでこを当てます。って、近い近い！私は更に顔を真っ赤にします！
｢あ、あの･･･少し、は、離れて･･･｣
｢なぁ、私がどうして貴様をあの飛行船から落としたと思う？｣
｢え？｣
私の話は聞かず、鯉登少尉は唐突に私に質問します。
｢それは、敵を捕まえて第7師団に連行して･･･｣
｢違う。｣
そういって鯉登少尉は私の目と鼻の先で甘く痺れる声でいいました。
｢貴様に惚れたからだ･･･｣
そういって鯉登少尉は私の頬に優しく口付けした。
｢あ、えと･･･きゃあああッ?!｣
｢うわっ────っておい?!｣
ザボンッ！
私は一拍置いた後、何が起こったか理解し、恥ずかしさと嬉しさのあまり鯉登少尉を勢い良く押しのけ、近くに流れていた川になりふり構わずダイブしたのでした。
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飴玉 - なんか凄い今更感……好きです…。鯉登さんのやつめっちゃめちゃ好きです………応援してます (2021年1月2日 22時) (
レス) id: ecd59cd0fd (このIDを非表示/違反報告)
ゲゲゲのひーやん - めっちゃ良い。応援しとります (2019年4月4日 1時) (レス) id: 4d1438fad9 (このIDを非表示/違反報告)
もふもふ(プロフ) - cjejpdさん» コメントありがとうございます！私も第7師団がかっこよくて大好きです！尾形はとくに！掛け持ちしすぎて、更新が不定期になりますが頑張ります！励みになります！ (2018年12月20日 1時) (レス) id: 58f787ff92 (このIDを非表示/違反報告)
cjejpd(プロフ) - こんばんは。突然ですが第7師団が大好きです！いつも楽しく読めています尾形が本当にかっこいいです。でもみんなもかっこいいです！更新をいつも待っています。これからも頑張ってください！ (2018年12月19日 22時) (レス) id: 909da3b77d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もふもふ | 作成日時：2018年12月8日 20時
