山猫に一目惚れ (ページ22)

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発覚ページ22

(────うめは何を言っているんだか。『彼』の射撃が1番に決まってるのに･･･そうえば、あれから、彼を兵営で見かけてないわね。広いから仕方ないのだけど。今度、上官命令で呼び出そうかしら？いや、そしたら用もないのにと、周囲に怪しまれるわ。てか、『彼』とまともに話したことないのにそれは汗)

Aは、うめの問いに返事しないといけないとは分かってはいたが、『彼』のことを考えた途端、それしか頭にない状態になり、しばらく沈黙していた。

｢･･･A？さっきから、ぼーとして大丈夫？｣

｢ああ、ごめん･･･で、なんだっけ？｣

Aは、うめに声をかけられ、ノロノロと意識を浮上させる。Aは『彼』のことでいっぱいで、もはや、勇作の話なんて頭になかった。

｢A･･･あんた、｣

流石に心配になったのだろう。Aを真剣な表情で見つめるうめ。それを察ししたAは、自分は大丈夫だという言葉を口にしようとするが遮られた。そして次の瞬間、彼女は予想外の言葉を口にした。

｢あんた、好きな人いるでしょう？｣

｢えっ?!｣

それは事実だが突然、なんの脈絡もなく言い当てあれ、Aは酷く驚愕した。

｢あ、えと･･･｣

｢とぼけてようとしても無駄よ！私の目は誤魔化せないわよ。｣

｢は、はは･･･はい、その通りでございます･･･｣

あまりのうめの気迫に、Aは思わず敬語で肯定したのであった。

｢───どうして分かったの？｣

少し間を置いたあと、Aは、ふと疑問に思ったことを口にする。

｢何って･･･あんたの顔を見れば分かるわよ。まさに、恋する乙女って顔だったわ。｣

｢そ、そうだったのね･･･｣

｢あんな顔するなんて、よっぽど好きなのね。で、誰なの？やっぱり、軍の人？｣

｢それは･･･｣

Aは一瞬、いうのを戸惑った。何故ならばいったとすれば、両親には反対され、軍の人間には冷やかされるものであろう恋であったからである。しかし、うめは裕福でありながら、家柄に囚われない自由奔放な性格のお嬢様である。自分とどこか似ている彼女ならば、きっと理解してくれるだろう。そう、感じたAは、彼女に打ち明けることを決意した。