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「 あら、花火大会 」
『 ほんとだ! 』
7月中旬
梅雨もあけ、本格的な夏を迎えようとしていた.
そんなある日の休日、カナエと買い物に出かけた.
夏服欲しいね〜、なんて話していたのだ.
ショッピングモールの掲示板に花火大会を知らせる、
ポスターが貼られていたのだ.
この地区で行われる花火大会.
3年に1度の大きな行事だ.
前回は大雨で中止になってしまっていた.
本当は4人で行く約束をしていたのだけど、中止になってしまったから、
義勇の家でタコパをした思い出がある.
『 ね、今年こそ4人で行こうよ! 』
「 …あ、ごめんなさい.
この日は出かける予定が入ってるの… 」
申し訳なさそうに、目を伏せるカナエ.
何でも、家族で某テーマパークに行くそうで.
そういえば、そんなこと言ってたっけ.
私抜きで行ってきて、って言っているけれど、
それはそれで申し訳ないなぁ…
「 あら? 」
『 どうしたの? 』
カナエの視線を追った先には、背の高い二人組が.
「 お、Aと胡蝶さんじゃねェか 」
『 実弥くん…! 』
「 こんにちは、不死川くん 」
よっ、と笑う実弥くん.
隣には、彼に似た男の子が.
「 ………Aさん? 」
『 ……えっ? 』
「 玄弥っ、わり、コイツ俺の弟.
Aのことは、しらたまの件で話してよォ 」
そういうことでしたか…!
急に名前呼ばれたから驚いたよ.
実弥くんに挨拶を促された玄弥くんは、
何故か顔を真っ赤にしながら自己紹介をした.
私とカナエも同じように、名乗った.
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「 へぇ、花火大会かィ 」
私とカナエが見ていたポスターを、マジマジと見る実弥くん.
玄弥くんはスポーツ用品店に用があるからと、先に行ってしまった.
カナエは飲み物を買ってくると言って、その場を離れてしまった.
「 Aは誰かと行く予定あるかィ? 」
『 な、ないです 』
やっぱり、名前で呼ばれると変な感じがする.
胸の奥がじんわりと暖かくなる.
慣れてない、のかな.
「 そうかィ 」
支線はポスターから、私に向いた.
じっと見てくるものだがら、次第に顔に熱がこもる.
「 Aが嫌じゃなかったら、一緒に行かねェ? 」
真剣な彼の目に、射抜かれ、
目を逸らすことが出来なかった____.
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みお(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…。この作品に出会えて良かったです!! (2022年4月10日 14時) (レス) @page41 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
つめきわに - とても感動するお話でした。シリーズの初めから一気に読んだのですが、止まれませんでした!不死川さんがもっと好きになりました〜 (2021年1月25日 21時) (レス) id: 425fb41c74 (このIDを非表示/違反報告)
Yasuko Yaotani(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!凄く幸せな気持ちになりました。次回作もたのしみにしてます☆ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 2ca8d75cad (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - シリーズ一気読みしてしまいました!今更ですがこの作品に出会えて幸せです!他の作品も読ませていただきます! (2020年11月9日 11時) (レス) id: 4be6ea8e94 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 最高でした!連載お疲れ様です!素晴らしい作品に出会えて幸せです!次回作も心から楽しみにしています! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 81d60ec5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2020年4月7日 0時