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「 A 」
『 何? 』
「 お前、何かしたのか? 」
昼休み、義勇が売店から戻るのを待つ間、
錆兎が呆れたようなため息をついていた.
『 知らない…、こっちが聞きたい 』
「 はぁ… 」
『 あ、カナエもこっち向かってるってさ.
先に席見つけとくから、義勇と来て 』
「 ……ああ、わかった 」
.
昼時のカフェテリアは人が多い.
なかなか席が見つからないのはほぼ毎日のこと.
キョロキョロと席を探していた時、
「 颯瀬さん 」
『 し、不死川くん…! 』
後ろからトントンとされ、振り向いた先には不死川くんがいた.
彼もこれからお昼なのか、片手には弁当箱が.
「 さっきぶりだなァ 」
『 そうね 』
「 居眠りしなかったかィ? 」
『 し、してないよ? 』
「 偉い偉い 」
からかうように笑う彼.
『 不死川くん、いつもお弁当なの? 』
「 あー、まぁ. 弟が高校生だからな.
弟の作るついでに自分の分も作ってる 」
『 えッ、不死川くんが作ってるの? 』
「 ん、弟と二人暮らししててよ 」
不死川くん、弟くんいたんだ.
でも、不思議とお兄ちゃんって感じはしてたけど.
「 おい、A 」
『 義勇ッ 』
クイッと後ろから肩を引き寄せられる.
私もそうだが、不死川くんも驚いたように目を丸くした.
そんな不死川くんを、一瞬だけじろりと睨む義勇.
「 席は見つかったのか? 」
『 や…、まだ 』
「 全く… 錆兎が4つ席確保した. 右奥の窓際の席だ.
行くぞ. 」
『 えっ、ちょっと!? 』
手を引かれ、進ざるを得なかった.
不死川くんには申し訳ないけど簡単に謝ってその場を後にした.
あとで、ちゃんと謝んないと____.
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みお(プロフ) - めちゃくちゃ感動しました…。この作品に出会えて良かったです!! (2022年4月10日 14時) (レス) @page41 id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
つめきわに - とても感動するお話でした。シリーズの初めから一気に読んだのですが、止まれませんでした!不死川さんがもっと好きになりました〜 (2021年1月25日 21時) (レス) id: 425fb41c74 (このIDを非表示/違反報告)
Yasuko Yaotani(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました!凄く幸せな気持ちになりました。次回作もたのしみにしてます☆ (2020年12月25日 21時) (レス) id: 2ca8d75cad (このIDを非表示/違反報告)
さとみ(プロフ) - シリーズ一気読みしてしまいました!今更ですがこの作品に出会えて幸せです!他の作品も読ませていただきます! (2020年11月9日 11時) (レス) id: 4be6ea8e94 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 最高でした!連載お疲れ様です!素晴らしい作品に出会えて幸せです!次回作も心から楽しみにしています! (2020年6月30日 18時) (レス) id: 81d60ec5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっちゃろん | 作成日時:2020年4月7日 0時