追 憶。【不死川実弥】

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「 なんだ、そのネコは 」



『 わわっ、義勇…！ 横から覗かないでよ… 』






不死川くんが送ってくれたネコの写真(保存済み)を眺めていたら、ぬっと義勇がスマホを覗き込んでいた.



やめてと押し退ければ、眉間に皺を寄せている.










3限は空きコマで4限に講義がある.
昼休みから4限にかけてこの時間は、友人たちとゆっくり過ごすのが日課だ.










「 誰のネコだ 」


『 …と、友達？ 』





なんと言ったらいいか分からず、曖昧な返事をすれば益々眉間に皺を寄せ、不機嫌そうな顔をする.

そんな顔してたら、皺の跡が残るよ？





「 義勇、顔怖い. やめろ. 」


「 あらあら 」





義勇の頭をぱこんと叩く錆兎、
ニコニコと穏やかに笑うカナエ.



錆兎とカナエとは中学生の時からの仲だ.















「 私にもネコちゃん見せて欲しいな 」


『 う、うん！ 』





カナエにネコの写真を見せれば、
これでもかってくらい可愛く笑う.



女の私でも惚れてしまいそうになるくらいだ.





「 お名前は何ていうのかしら？ 」


『 …あ、名前…まだ聞いてないや… 』










そういえば、名前つけたのかな？





「 名前も知らないのか？ 」


『 昨日拾ったらしくて… 』


「 …… 」







何、どういう心境？

義勇とは長い付き合いだけど、なんとも言えない顔をした時の心境は読めない…





『 き、聞いてみるね…！ 』





まだ返信していない不死川くんとのトークをタップし、会話の返信をした後、名前のことを尋ねた＿＿.





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