華也羽「女子猫が三十匹目だってさ」 ページ33
華也羽side
目が覚めたら車内にいた
記憶が無くフワフワする頭を無理矢理にでも動かして隣を見た
真顔で前を見て運転している柊聖兄がいた
柊聖「目、覚めたか」
華也羽「あ、覚めたから見てんだろ」
柊聖「ただの熱だと、安静にしてたら1日で治るってよ」
相変わらず前だけを見て答える
いつの間にか病院に行ったらしく、足元に薬が置いてある
きっと椿のババアが予約だ何だしてくれたのだろう
よりによってこの時期に熱を出すなんて馬鹿だと思う反面
ものすごくバレーがしたくて堪らない
華也羽「今すぐ学校に「戻らねーよ馬鹿か」チッ」
舌打ちをしたらしいデコピンを食らった
こいつは痛い
柊聖「椿ちゃんからさっき聞いたけどな、あんまり詰め過ぎると折れちまうぞ」
華也羽「何のことだか」
柊聖「練習もほどほどにしとけって事だ」
パチンッとまたデコピンを食らう
自分がよく分かる
最近、春大予選が近づくに連れて余裕がなくなる気がする
追われている気持ちを誤魔化そうと不安を練習と言うと内容で埋めようとしている
時間が無くなるにつれ「やらなきゃ」と無駄に思ってしまう
昔からの悪い癖
椿はと言うか、夜久も梓乃も分かっているんだよな
自分に言っても聞かないからこいつに言ったんだろうけど
柊聖「椿ちゃんにちゃんとお礼言っとけよ」
華也羽「はいはい」
いつも余計なことしてくれてありがとうって伝えておこう
余計なことだからこそ立ち止まって冷静になれるんだけどな
ムカつくから素直にありがとうなんて言ってやんないけどな
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