ただ、未来を 2

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いや、というか、本当に痛い！
引っ張られてるせいで全体重が右手にかかってるわけで。
『徳川くん！痛いから！離して！ちょ、ｯ離せ！』
徳「家康。」
『…、？』
徳「なぜ名字で呼ぶ」
徳川くんの意図がわからず思考が止まる。
『いや、私は基本的に皆さんを名字で呼んでいますが？』
徳「…信長も、武田も…日下部も、お前は名前で呼ぶだろう」
『…はぁ』
つまり、自分のことも名前で呼べ、と。
『………家康くん』
徳「それでいい」
え、なんですか。どーいうことですか。
…まぁ、いいか。害があるわけじゃないし。
そうこうしているうちに、図書室についてしまった。



扉を開けると…
信長くんが、居た。
徳「おい、ゴミ…明智はどこだ？」
織「知らん」
徳「本当か？」
織「二度同じことを言わせるな、うつけが」
うわぁ…怖…
徳「そうか…なら自分で捜すとするか。
来い、A。」
うぅ、巻き込まないでくださいよぉ…
どうしようかと視線を彷徨わせていると、みやびちゃんと目があって、頑張ってください、と心配そうに目線で応援された。…ありがとう、頑張るよ…がんばったよ…
『はいはい。とはいえ、こんなに棚が多いなら大変ですよ…？』
棚をなぎ倒す訳にはいかないでしょうし。流石に。
徳川くん…家康くんは図書室をしらみ潰しに捜したが、明智くんを見つけることはできない

突然、信長くんが日本の裏側がブラジルではなく大西洋だ。と言った。
え、そうなんですか！？
なら、ブラジルのみなさーん！って地面に叫んでる人はなんなんでしょう。…まぁ、いいか。
徳「フッ、…お前は本当に地球儀が好きだなぁ？」
熱心に地球儀を眺める信長くんは、流石は日本で初めて地球儀を見た男。
フロイスに渡されて地球が丸いことを即座に理解していらっしゃいましたし、本当に凄い方なのです。…私などは地球の果ては御仏の国と本気で思ってましたし。
織「ああ、地球は実に面白い…」
徳「なにが」
織「ここから見れば日本は裏。全てが表で、全てが裏…そこが面白い」
徳「明確な表があるだろう？」
織「どこに？」
徳「俺がいる場所が表だ！」
…あら、まぁ…
いや、暴論過ぎません？
織「………うつけが」
徳「………ゴミが」
うわぁ…
うーん…明智くん、そこにいたんですねぇ…
なんとなく色々と察しはしましたが、気まずすぎるし怖すぎるのですが…！
みやびちゃん、本当に強すぎる…凄い…

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