・ ページ24
『…分かった。わかりました。
行きましょう、みやびちゃん。』
みやびちゃんが今何を考えているのか、なんて、私には分からないのだけれど。大切なお友達の頼みなら、きいてあげたい。力になりたい。
みやびちゃんと織田くんを探していたのだけれど…織田くんは、またしてもスルメを焼いていました。
…え?…何で?
教室で怒られたから、今度は中庭で、ってこと、なのでしょうか…?
…まぁ、【殿】と同じ名を持つ人だから、なぁ…
凡人には理解できない何かがあるのでしょう、たぶん。
クラスメート全員が夢中になり熱狂していた旗印戦を見ないのは…総長の座とか学校の覇権とかに興味がないのでしょうか?【殿】なら、真っ先に参加して「儂がルールじゃ!」とか言ってそうだけれど…やっぱり、何かが違う、…?
み「お願いです!一緒に戦を止めてください!!」
織「貴様は何故そこまで止めたがる」
み「…約束、したのです」
「『約束?』」
み「父様と…」
みやびちゃんは、お父君に銀杏高校へ行くことを頼まれたようだ。
銀杏高校で【彼ら】を救ってほしい、と…
…みやびちゃんのお父様は一体何者で、何が目的なんでしょうか。
そして、この可笑しな学校の…何を、どこまで知っているのでしょうか。
み「私は知りたいのです!父様が、何を託したのか。だから、戦を止めてください!」
織「そんなに止めたきゃ自分で止めればいいだろう?…戦は絶対に誰にも止められない」
み「絶対は絶対にございません!だってあなたがそう仰ったじゃないですか」
…それは、【殿】の言葉だ。
家督争いの際も、桶狭間でも、いつだって苦境に立たされたとき、殿はそう言って我らを励ましてくださった。
その言葉に多くの臣下が救われ、その言葉で多くの戦が、政が、我らの側にひっくり返った。
スルメを食べる織田くんににそう言うと、みやびちゃんは走って行ってしまった。
織「…俺が?」
『お心あたりは?』
織「ない………」
…やはり、そうですか。
織田くんの答えを聞いてから、みやびちゃんを追いかけた。
あの子は…【殿】ではない。
そう。
さいしょから、わかっていたのだから。
71人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずのえ(プロフ) - コメントありがとうございます(*^^*)トッシーか犬千代で迷いましたが、某4コマ漫画と鍋の影響で前田利家=トッシーで固定されてしまって…好きと言ってくださり、本当にありがとうございます〜! (2022年10月9日 20時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
前田利家 - トッシー呼びが好きすぎるー! (2022年10月8日 22時) (レス) @page37 id: 4149d8455a (このIDを非表示/違反報告)
みずのえ(プロフ) - わかります!本当にかっこいい…!!好きと言ってくださり、ありがとうございますm(_ _)m頑張りますね!(*´ω`*) (2022年9月27日 21時) (レス) id: 07361828e7 (このIDを非表示/違反報告)
さら - はじめまして!!このお話とっても面白くて大好きです!!本当に皆さん格好いいですよね!!続き楽しみにしてます!!更新頑張って下さいね!! (2022年9月27日 19時) (レス) @page9 id: f9b4a84be1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずのえ | 作成日時:2022年9月27日 11時