【おそ松さん】猫が人間になったんですけど【一松】

第１５松 ページ16

カラ松を買い物に向かわせたあと、俺は洗面所にAを連れてきていた。
風呂は銭湯に行かないといけないし、外には出せない。
体を少し拭いてやるくらい、してもいだろ。





「A、腕あげて」
「うでー？」
「…ここ」





Aはやっぱり何もわかっていなくて、一から説明しないといけなかった。
腕、足、手、肩、腰。
名前を教えてくいくと、ひとつひとつ理解していって
そのたびに笑顔を見せてくれた。





「で、これ脱いで」
「脱ぐ！」





言ったすぐに、ガバッとパーカーを脱ぎ捨てるA。
見てはいけないものを見てしまった気がするが、気にしない動じない。
…いや無理だろ。自然と顔に熱が集まってくる。





「…これ体に巻いてて」
「うん！」





大き目のバスタオルを体に巻かせて、腕を拭いていく。
濡らしたタオルが冷たいからか、ひゃー、と言っている。
…なんか、十四松に少し似ているような。





「いちまつ！冷たいね」
「…水つけてるからね」
「いちまつもつめたい？」
「俺は冷たくないよ、Aよりかは」





Aも喋るのに慣れてきたのか、会話が少しずつ成立するようになった。
冷たいタオルで体を拭いているうちに、いろんなものを見つけた。
小さい傷から大きい傷まで。





猫の時は覆い隠されていた、Aの傷。

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