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「ねえほっぺについてるよ」
「……ほんとだ」
「あーだめだめ！
全然取れてない！俺が取ってあげるから」
「ちょっと…！いいって！」
「あはは、顔真っ赤っか！ウケるよ」
堕落し切った生活をしていた私を新しくできたというカフェに連れ出したラウは、隣に並ばれるとすごく目を引く対象になるから嫌だった。
私はボサボサ頭に着古したジャージという格好なのに、ラウは誰から見ても綺麗な男の子。
他の客からひそひそと話し声が聞こえても
「ね？美味しい？」なんて頬杖をついて私を見つめているから大して気にも留めてないんだろう。
ラウは。
「……特段美味しくもない」
「はあ！？あ、だからってクレーム言うのやめてよね！？」
「…何？嫌味？」
「だってそうでしょ？姉さんほどヤバい人って
マジでそうそう居ないじゃん〜〜〜」
目の前のバスケットからポテトをひょいっと摘むと
ん〜おいし！とラウはしたり顔。
じゃあ構ってくれなくていいのにと思っていても
実のところ私はこの義弟から援助されないと生活を保てなかった。
こんなねじ曲がった性格だから仕事は続かないし
だけど浪費は一丁前に激しい。
夢も希望もない。
だからラウは私に構う。
いつか部屋で孤独死してやしないか心配だからという
理由をつけて家に来る。
「…あんた彼女と来れば？こういうとこは」
そんな風に呟いた後に、しまったとハッとする。
ラウはポテトを摘もうとする手をピタリと止め、
一瞬固まった後にニコリと笑顔を作った。
そして
「そんなの居ないし要らなーい。俺は姉さんのお世話がかりだから忙しいの！」……なんて下らない言い訳を口にする。
そろそろ帰ろっか？と私の顔を覗き込んだラウの後について店を出ると、秋晴れの空が眩しかった。
はあ、と息を吐いて空を見上げていたら
そんな私の手を突然ぎゅっ、とラウが攫う。
「は？…ちょっと何？」
「えへへ〜いいじゃん、たまには！」
「よくないから離せよ」
「やだね！！だって俺ら仲良し姉弟だも〜〜〜ん！」
「あの電柱まで走るよ！グータラ姉さん！」と言って私の手を引くと、バカみたいな速度で走り出す義弟。
ラウは散歩中の犬にワンワンっと吠えられると吠え返し
ベビーカーに乗る赤ん坊にいないないばあをする。
そんな無邪気は本物か否か、私には時々分からなくなる時があった。
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
