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翔太さんからの電話があまり来なくなった。
忙しいのかな。
チーフだもん、
しょうがないよねと自分に言い聞かせてみたものの、
もうズブズブに彼の全てに溺れているのだから
そう簡単にこの思いは消化しきれない。
いつも誘われれば応じるばかりで
私から誘っても応じてはくれないから
もういっそのこと働いている場所まで会いに行ってしまおうかと思って咄嗟におしゃれをした。
髪を巻いて、新作のグロスを塗って、
壊れてても結局お気に入りなあのイヤリングをつけて
彼がいる百貨店に勇気を出して顔を出しに行ってみる。
でも売り場にはいない。
きっと奥の方でお仕事をしているんだなと思って様子を窺っていると、
「何かお探しでしょうか？」と店員に声をかけられる。
「あの…ええと、渡辺、翔太さんは今日は…？」
「渡辺…、ですか？申し訳ございません、本日午後はお休みを頂いておりますね」
「てことはさっきまで居たんですか？」
「ああ、ええ、はい。
実は今しがた退社したばかりでして」
その言葉を聞き終わる前に私は店を後にした。
翔太さんが近くにいる。
もしかしたら今日会えるかもしれない。
…嬉しい。
そう思って近くをキョロキョロと探した。
あんなにスタイルが良くて美しい彼ならきっとすぐにわかるはずだ、と思い込んで。
そしたら、ほら。
すぐに見つけた。やっぱりいると思った。
私の愛しい彼の後ろ姿。
横顔。
彼はすごく楽しそうに何かを見て笑っている。
「翔太さん」と叫びかけた私は
彼の視線の先を知ってしまってひどく戸惑った。
.
彼は笑っている。
彼の横にはあの百貨店の、アクセサリー売り場の
店員の女がいた。
「私どもでは対応しかねますので」と
私を迷惑そうな目で見たあの嫌な女店員が。
それだけじゃない。
その2人の間には白くて、ふわふわな服に身を包んだ
柔らかそうな女の子までいた。
.
そしてまた、私の中に黒い雫が落とされる。
私は誰かを困らせてでしか気持ちが満たされないのね、……と。
2人が売り場に出たある日、
着飾ることをやめた私が飛び出して行くと
彼は激しく動揺したような顔でこちらを見た。
そんな貴方を地獄に落とした。
「妻帯者と隠して私を抱いた」と喚いて。
だってそんな生き方でしか生きれないの、私。
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
