87 _support. ページ4
_ Remus side.
_
さっきは思わず笑ってしまったけど、彼の目があまりに真剣だったから面食らっただけなんだ
嘘偽りない真っ直ぐな本音だとわかってしまうから尚更、咄嗟に返答が思いつかなかった
嬉しかったよぐらい言ってあげたらよかったな
同じ立場でも、きっと私じゃあんな風に言えない
「いつの間にあんなに逞しくなったのかしら」
「昔からAは頼もしかったよ」
「そうかもしれないわね...」
5歳になる直前にグレイバックに噛まれて以来、幼い私に手を差し伸べてくれたのは両親とダンブルドアだけだった
同じ年の子供に助けられるなんて、そのときは思ってもみなかったよ
5歳の頃の自分に、あと数年もしたら素敵な出会いがあるよって教えてあげたいぐらいだ
目を離すとすぐに1人で遠くへ行ってしまうけど、君がいなかったらきっとここまでやってこれなかった
大切なんて言葉では表せないぐらい、私の人生においてなくてはならない...存在....が
さっきまで父さんと楽しそうに話していたはず
母さんの手伝いをしていた手を止めて、さっきまで話していたリビングに戻る
「何か、気に触ること言ったかな、」
「いや、...すいません、」
慌てた様子の父さんと、その横で慌てて目頭を抑えるAの姿
この短時間に何があったというのか
「父さん、何してるの！」
「えぇ？！ え、えーと、」
「違うんだ！、本当になんでもない」
目元を擦るようにしながら、俯いたままリビングから出て行ってしまった
「....本当に、何言ったの」
「え、....思い出話...？」
直接聞いてみないことには原因がわからない
朝ので問題が解決したと思っていたのは、どうやら甘い考えだったらしい
「...母さん、夕飯は先に食べててくれる？」
「ええ、好きなときに食べにきたらいいわ」
「ありがとう」
少し前にもこんなことあったなと思いながら、彼の行った先を追いかけた
_
「...君のお父さんは何も悪くないんだ」
「そうかもね」
杖を振って彼と一緒に来客部屋に移動する
「なんだよ、」
「夕飯は残しておいてくれるって」
「そうじゃなくて、」
水膜の張った瞳が伏せられる
「早めに吐き出して元気になってくれると助かるよ
私も満月が近いからね」
「....それは心配しなくていい」
こんな状態でも説得力はあるのが不思議だ
君自身は不安定なのに
_
88 _monologue.→←86 _prejudice.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
