96 _search. ページ13
_ Sirius side.
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ハリーが学校に戻るのと同時期にリーマスたちのもとを離れ、半年と数ヶ月ほどが過ぎた
あと1週間もすれば、また7月に差し掛かる
逃亡生活も慣れたものだ
逃亡といっても、実家に篭って屋敷しもべ妖精を働かせているだけなんだがな
弟のレギュラスが死んでからは、掌を返したように私の言いつけに忠実になったこのクリーチャー
まったく忌々しい
由緒正しき魔法族というのも羨むような存在ではないと身をもって知っている
昨年の誕生日に贈った両面鏡を通して、ハリーとはたびたび連絡を取り合っていた
炎のゴブレットに誰かがハリーの名前を入れたことや、奇妙な夢のこと、次の課題のこと
直接助けに行ってやれないのが心苦しいが、今の私が姿を現すわけにはいかない
あの子ならきっと最終課題もクリアして、なんなく栄光を手に入れることだろう
いつも当然のようにスニッチを掴んでくるジェームズの無邪気な笑顔が思い出される
休暇に入ったら、また詳しく話を聞けばいい
今は目の前のことに集中すべきだ
1週間ほど前、ダンブルドアがここを訪ねてきた
この場所を知っていたことにも驚きだったが、問題はその用件だった
"君の友人たちを捜し出してほしいのじゃ"
ダンブルドアが言うには、リーマスとライトの行方が掴めないらしい。理由は教えてくれなかったが、代わりに1枚のカードを渡された
羅針盤のようなものが描かれていて、赤い長針と青の短針がついている
これを使って探せとのことらしいが、あくまで私は逃亡中の身だ
外に出ることイコール危険に身を晒すことになる
第一、貴方ほどの人が探し出せないのに、私にその役目が果たせるとは思えなかった
"君でなければ、できないことなのじゃ"
私が断らないと確信しているかのように真っ直ぐこちらを見つめてくる
あの人の考えていることは昔からわからない
「何があったってんだ...」
急ぎの用があるからと、最低限の用だけ伝えて早々に帰ってしまった
単純に人手が足りないのか、何かよからぬことが起きているのか
どちらにせよ、ダンブルドアたっての頼みとあらば断るべきではない
カビ臭い屋敷から抜け出して、黒犬の姿で夜道を走りだした
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作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
