84 _hospitality. ページ1
_ Your side.
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ルーピン宅
お邪魔してます。
朝起きて同じ部屋から出てきたのを、お母さんに見られて"仲がいいのね"なんて生暖かい目で見られて若干動揺している現在
2人は特に気にした様子もなく朝食の準備を始めている
「母さん、手伝うよ」
「あらやだ、覚えてるわよ。
A君、小食なのよね」
「いえ、お気になさらず...」
自分の母親ではないけど、こうして元気にしているのを見ると安心する
彼の母親はマグルだと言っていたから、魔法の使えない家事はさぞ大変だろう
リーマスと母親が2人でキッチンに立ってるの、なんか可愛いな...
ホグワーツで教鞭を執っていたときもそうだが、普段見れない一面が垣間見えるこの瞬間ににひどく幸福を感じる
今思えば、一度は投げ出そうとした命だ
何かの偶然で拾われてしまったが、この瞬間を得るために生かされたのかもしれない
流石に都合の良すぎる解釈だろうか
あれこれ考えているうちに、魔法で浮遊した茶器やら朝食たちがテーブルに着地する
「考え事は終わった？」
「今終わったよ」
この家に来て完全にお客様と化した俺の前にミルクティーと小さめの皿が用意される
目玉焼きにベーコンに、まさしく伝統的なイングリッシュ・ブレックファストだ
チーズの乗った熱々の焼きトマトを口に入れて死ぬかと思った。
「あらあら、ゆっくり食べてね」
これがおふくろの味かと思いながら、俺にしてはなかなかの量を食べきった
火傷してピリつく口内にほどよく冷めたミルクティーが染み渡る
久方ぶりの温かい手料理で、精神的にも何かが満たされた気がする
ほのぼのし過ぎて作戦会議とかいう概念が何処かへ行ってしまっていた
早いところ今後の方策を練らなければ
追手を撒くか
新天地を探すか
こうして平和を謳歌していられるのも今の内だ
リーマスはまだ奴と直接会ったことがない
俺の魔力量じゃ誤魔化しの呪文をかけてもたかがしれている
姿くらましに付いてくるようなやつに、どう策を講じるべきか
慎重に考えろ
これが最後の休息になるかもしれないのだから
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作者名：yamanarashi | 作成日時：2021年1月10日 19時
