魔のファウルボール ページ44
俺はノムと軽くキャッチボールをしていた。
周りも何も見ずに、只ひたすらボールとノムを見つめていた。
「こっちー！右！」
「え？
…んぐｯ！」
右頬に何か衝撃が走った。
痛い。
俺は驚きのあまり、転んでしまった。
「った…」
とっさに右頬に触れる。
熱を持っていて、痛い。
そうとう速かったのだろうか。
「こっちー！？
大丈夫…！？
ちょ、鼻血まで…」
マジかよ、鼻血…。
鼻に触れてみると、確かに血が出ていた。
「こんくらい、どうてことねぇよ」
俺は鼻を押さえながら立ち上がる。
「こ、東風谷さん！」
誰だろうか。
「ごめんなさい…」
それは龍馬だった。
打撃練習で飛んじゃったのかな。
「ん、大丈夫。
見てなかった俺が悪いよ」
俺は龍馬を見つめて微笑む。
「そ、そんな」
「いいのいいの、これからも気をつけて練習頑張ってな」
「優しいっすね、東風谷さん…。
気を付けます！」
龍馬はぺこりと一礼し、練習に戻った。
俺はその場で治療して貰い、暫く休んで練習を再開した。
＊
今日も練習疲れたな、と思いつつ部屋の扉を開ける。
「こっちー、おかえり。
鼻血大丈夫？」
扉を開けた途端、目の前にノムがいた。
「っわ、びっくりした。
いたのかよ…大丈夫」
俺は一息付き、部屋の扉を閉める。
「ノム、自分の部屋で寝ないのか？」
「うん、こっちーと寝るつもり」
ふふ、とノムは笑いベッドに寝転がる。
甘えん坊な奴だなぁ…。
なんて呆れつつ俺はベッドに腰掛ける。
「こっちーの匂い、好き」
「俺の匂いが？」
ノムは頷き、目を細める。
「もう、寝るか？」
「眠いし、寝る」
俺は電気を消し、隣に寝転ぶ。
「こっちーがこんなにも近くに」
「あっそ」
適当にそう言い、俺は目を瞑る。
「なんだよ、あっそって」
ノムはけらけらと笑いながら俺に擦り寄る。
「こっちー…ちゅーしてよ」
「んぁ？
…ったく、甘えん坊なんだよ」
俺はノムの顎に指を添えてクイ、と上げる。
そして、口付けをした。
「…は。
満足か？」
「うん…満足だよ」
ノムは微笑み、口付けを返した。
「ん。
…じゃあ、おやすみ」
「おやすみ」
俺達はここで眠った。
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小鳥遊(プロフ) - あーさんさん» 貴重なご意見ありがとうございます！確かにそうですね、固定にしておけば良かったと思いました←短編集もいいですね！カープだけでは無く他の選手の方も入れようかなと思います！ (2017年3月30日 19時) (
レス) id: 49fe55d7dc (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - 新作なら、いろんな人との絡みの短編とかどうですか？ それか、こんどは出てくる人を固定するとか…どうでしょう？ (2017年3月30日 19時) (携帯から) (レス) id: 4324b5116a (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - あーさんさん» コメントありがとうございます！ニヤニヤしてもらって嬉しいです← これからもじゃんじゃん更新致します！ (2017年3月24日 19時) (レス) id: 49fe55d7dc (このIDを非表示/違反報告)
あーさん(プロフ) - これは…やばいっす！ ノムスケが可愛すぎてニヤニヤしてます(笑) 更新楽しみにしてます♪ (2017年3月24日 17時) (携帯から) (レス) id: 4324b5116a (このIDを非表示/違反報告)
小鳥遊(プロフ) - ロイルークさん» コメントありがとうございます！何回も見てくださるとは…！誠に嬉しいです。これからも本作品をよろしくおねがいします！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: 49fe55d7dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小鳥遊 | 作成日時：2017年3月12日 17時
