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阿伏兎を少し睨みつけ出ていけと蹴り
追い出す。

団長はああ見えてかなりのせっかちなので
もう待っている可能性が高い、

阿伏兎よそれを先に言え

殺される確率が刻一刻と迫る。
急いで着替える私の頭には死の文字しか
浮かばない。

戦闘服に身を包み念の為ローブを身に纏う。

そして私は部屋を足早に出る。








『すみません、遅れましたぁ、と』

まるで決め文句のように口に出す私は
ちっとも反省していないように取れる。

団長はおそーいとブツブツ言いながら
操縦部隊に合図する。
急発進し、到着まであと、30分と告げられると
私は少し息を吐く。
身近にあった椅子に腰かけ、少しだけ眠る事に
した。

行き交う隊員が私に声をかける。

「お疲れ様です」

「お疲れ様」

「大丈夫っすか、疲労とか?」

「まあ、そんなとこ」

「無理しないでくださいね、ウチのエースさん」

「分かってるって」

単純な会話をしていただけなのにそれでも
頭が重くなる。 うぅ、と眉間に皺を寄せると
横に誰かが座った気配がした。

『ん?』

私は体が90度横回転し顔だけ上を向かされる
という超常現象に驚く。
反抗しようとしても動けないのでゆっくり
目を開ける。

そこには大きな青い瞳でこちらを見つめる
あどけない少年がいた。

「ん?時間になったら起こすから寝てなよ」

『な、寝るにも寝られないんですけど』

言わずもがなこれは膝枕である。
頭の下には骨ばった男らしい脚のような感触が
ある。

「大丈夫、ほら寝て」

この男が私の背を撫でる度、眠気の大きな波が
襲う。

そのあとすぐに眠りについたのか記憶が無い。






ふと起き上がると私には彼のローブが
かけられていた、
あいつは仕事にでも出たのかと先頭の画面を
見るが残り5分で特に皆も外に出る準備はして
いない。

何があったのか確認するため体を動かしその場
に起き上がる。体が軽い気がする。
少しもぞもぞ動いてあいつのローブを畳んで
いると、用事を済ませた奴が帰って来た。

「へぇ、なんか事後みたい」

こいつのセクハラ発言に頭が覚醒する。

『えっ、男相手にいやらしい事してない?
ちょっと待ってこいつキモイ』

「ふざけんなよ俺にそんな趣味ないよ」

いつものようにいがみ合う私たちは
なんにも変わってやしなかった。

なぜこの瞬間に心が軽くなるのだろう?


その感情に気がつくのはもう少し先のこと。

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アイリス(プロフ) - 続き待ってます! (2021年8月20日 21時) (レス) id: 45e9dfc0f9 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 真由さん» うぁぁ、ありがとうございます!他の表現で書こうとして諦めてそのままだった覚えがあります。気づいて報告して下さるなんてとても心優しい方ですね、違和感感じさせてしまいすみません! (2019年4月26日 21時) (レス) id: ffd4c8541f (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - すいません。8話め 頭抱えて笑うじゃなくて腹を抱えて笑うじゃないでしょうか? (2019年4月26日 20時) (レス) id: 4fa1d4dcbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さや | 作成日時:2018年11月26日 0時

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