平安時代の魔獣使い

技術・家庭５ ページ21

「狩りが出来なければ罠を作れば良いじゃない」


という訳で、現在工作真っ最中です。
ほら、魚用の罠とかだったら作れそうじゃん？あのペットボトルで作る奴。


「木の枝とロープで……出来た！多分！」
「何をしている？」
「あ、少年。ほら私さ、壊滅的に狩りが下手糞だったじゃん？」
「ああ、そうだな」
「否定されないのが凄く悲しい。

ゴホンゴホン、だからさ、罠を仕掛けて捕まえられないかなって。少年の負担も減るし、良いでしょこれ」


嬉しすぎて満面の笑み浮かべちゃう。多分現代ならもう何人か落ちてるな……(キメ顔)


それにしても、我ながら良い出来だよこの罠。
餌は……普通に生肉で良いよね？


「よし、後は適当な川に仕掛けるだけ。
フッフッフ、これでようやく私も一人でサバイバル出来る。

ちびっこに頼る日々よ、サラダバー！！！」
「だれがちびっこだたわけ！！！！」









勿論、現実(天与呪縛)はそう甘くなかった。







「なん、ナンデェっ！！！？」
「……才能だな、ここまで来ると」


魚が罠にかかった。そこまでは良い。全然良い。寧ろｗｅｌｃｏｍｅ。


私は罠から魚を取り出すために、そのピチピチ跳ねる身体に手を伸ばした。



ツルーーン。



魚は逃げた。手から逃げた。

意地でも私に殺されてたまるかという強い意志を感じた。



「なんだよう……別に食べる為には良いじゃん、仕方ないじゃん、食べなきゃ死ぬんだもの」
「……まぁ、わな自体はちゃんと使えたんだ。気を落とすな」
「ウッウッ、情けねぇ、年下に気を遣わせているのが何より情けねぇ……！」


少年が、体育座りをして茸を生やす私の頭をそっと撫でた。


「……おれはお前を負担だと感じた事はないぞ、一度もだ。
だから、そんなに気を落とすな。お前が阿呆みたいに笑っていないと、調子が狂う」
「しょ、しょうねぇえん！！！」


将来良い旦那になるよお前……。
嫁に寄り添える良い旦那になるよお前……。


そういうの、ちゃんと未来の嫁さんにイケボで囁いてあげるんだぞ。

イケボだぞ、ここ重要な。

今の体型維持するとなると、平安モテ男の条件とは離れちゃうからな。
外見ではなく声と中身で勝負しよう、それでお前の思う美女を堕としてこい。


「……」
「むぎゅ、ひょ、ほっへ、はなじっ」
「お前が余計な事を考えている気がした」


だからって、急に頬っぺ抓るのどうかと思う。

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