ｰ 肆拾伍 話 ｰ ページ46
｢…まあ、とりあえず本題に移ってもええ？時間も限られとるし…｣
ゾムにそう言われ時計を見ると、あれから1時間ほど経っていた。
朝日が昇る前に、彼の話だけでも聞いた方が良いだろう。
｢…率直に聞くけど、ロボロの未練ってなんなの？｣
聞けば彼は考え込むフリをする。
｢…自分でもようわからんのやけど、ちょっとだけ俺の話聞いてくれるか？｣
｢わ、分かった…｣
ロボロは再び、昔話を始める。
私は黙ってそれに耳を傾ける事にした。
｢俺がコネシマと出会った時の話からいこか｣
.
＿＿＿＿…
『ほ、ほんまに…神様なんか、お前』
『せやで！で、誰やお前？』
俺が口をあんぐり開けて驚いていると、目の前の神は眩しいぐらいの笑顔で笑った。
もっと、無愛想なイメージを持っていたからか、人懐っこい笑顔に面食らう。
『…自分、ロボロって言うんやけど…』
『ふーん、ロボロ…ロボロか。ええ名前やんけ！俺はコネシマ、この山を護る神や。…化け犬やけどな』
神は再び笑う。
俺はその時、こいつの笑顔が好きやなと思った。
＿＿＿＿…
それから、度々コネシマの所に遊びに行くようになってだいぶ経った日の事だった。
『コネシマ！』
俺がそう呼びかけると、コネシマは耳をぴくりと動かして振り返った。
『ロボロやんけ！…あれ、お前なんかええ匂いする』
すん、と俺の衣服の香りを嗅いでくるコネシマに思わず笑ってしまった。
『それ多分、金木犀や』
『金木犀？』
『せや、花の名前やで。村に咲いてるねん』
ふーん、と言いながら再び鼻を鳴らすコネシマ。
『…俺この匂い、好きやわ。なんか落ち着く…』
『ほんま？今度持って来たるで』
俺がそう言うと、コネシマはぱあっと笑顔に花を咲かせて俺を見る。
『約束やで！ロボロ！』
『おん、任しとき！』
俺達は指切りをして別れた。
この後、悲劇が起きる事になるのを俺はまだ知らなかった。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです！これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月23日 11時) (
レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ﾆﾖﾆﾖ(( 続き楽しみにしてます！ (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です！これからもこの作品をよろしくお願い致します（-人-） (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....！wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....！登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....！これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...！励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐里 | 作成日時：2019年11月8日 19時
