ｰ 拾壱 話 ｰ ページ12
｢…んん｣
ピピピと鳴る目覚ましに手を伸ばし、ボタンを押して止める。
ベッドから起き上がりカーテンを開けると、まだ薄暗かった。
いつも通りの準備を済まして、家を出る。
｢いってきます｣
母は台所にいるので声は届かなかったようだが、一応言っておいた。
.
しばらく歩いていると、犬の散歩をしているおじいちゃんが向こう側に歩いていた。
目が合ったのでぺこ、と頭を下げると
おじいちゃんは優しく微笑んでくれた。
普段この時間に家を出ることは無いので、なんだか新鮮である。
もちろん、この時間に後ろから声をかけてくるあいつもいないわけで。
そのせいか、いつもよりやけに静かな登校だった。
.
あれから正門を潜り、校舎内に入ればいつもより早いせいか、他の生徒とすれ違うことも無かった。
そのまま階段を上がり、2階の職員室に向かう。
｢失礼します、エーミール先生いますか？｣
職員室のドアを開けて、先生を呼ぶ。
すると近くの先生が確認するかのように後ろを振り返って、またこちらを向いて｢まだ来てないよ｣と言った。
早すぎたかな、と思いつつ｢何時頃に来ますか？｣と聞けば、別の先生に私の背後から声をかけられる。
｢おや、またエーミール先生かい？今日はあの人は休みだよ｣
｢え、休み…ですか？｣
あまりにも予想外な言葉にどう反応していいか分からないでいると、気を利かせてくれたのか｢なんの用だったんだい？｣と聞かれた。
｢鍵を、貸してほしいんです…図書室の二階にある部屋なんですけど｣
｢図書室の？ちょっと待っててね｣
そう言うとその先生は職員室に入っていき、しばらくしてから鍵を持って戻ってきた。
｢図書室の鍵と、二階の鍵でいいのかな？｣
差し出された鍵を見て驚く。
確か彼は昨日、鍵は私が管理していると言っていたような…。
｢あの、いいんですか？エーミール先生の許可無く、｣
私がそう問えば、先生はにこりと笑って言った。
｢言われていたからね、君がもし鍵を借りに来たら貸してやるように、と｣
｢…先生が？｣
何故わざわざ他の先生に伝える必要が…と思ったが、気を利かしてくれたのだろうという考えで落ち着いた。
その後、｢ありがとうございます｣と一言だけ言い、またあの図書室へと向かった。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです！これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月23日 11時) (
レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ﾆﾖﾆﾖ(( 続き楽しみにしてます！ (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です！これからもこの作品をよろしくお願い致します（-人-） (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....！wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....！登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....！これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...！励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐里 | 作成日時：2019年11月8日 19時
