31粒 ページ31
.
檻に閉じ込められてるのは私一人でもなかった。でも檻の中には私一人だけで入れられて、開けて、開けて！！って訴えても見向きもせずドアに戻っていく人ばっかり。
抵抗はしてたけど、もう諦めに入ったのは3日目だったな。水だけが与えられて、食料も何も貰えない。その日、1日1日が死ぬほど長く感じた。外は雨と雷でグシャグシャ。もう周りの子供達も元気がないのか黙りこくって、各自で何かをしているだけ。
向かい側の子なんか倒れてて、私もあぁなるんだって思ったら、怖くて。
死にたくなかった。
だから強く願ったの。
誰でもいから、助けてください。
私を、もう、こんな人生で苦しめないでください。
ただ、それらをひたすらに願った。
けどその日の夜中、大きな爆発音で目が覚めた。私はゆっくりと起きて、何が起きてるんだと朦朧な視界の中で確認しようとしてた。
すると、多くのこの教会に住んでた人達がこっちに来て、私たちを引っ張り出したの。
「なんで、なんで都心の者たちが来ているの？！それにあんなにも怒って…！」
｢きっと神様がお怒りになったのだわ！この子達が早く餓死しないから…！！｣
盲目もいい加減にしろよ。心底そう思った。けれど口に出す元気もなくて、私は磔台まで無理矢理連れてこられた。そこで何が起こるのか。考えるだけでゾッとして、今すぐにでもにげだしたくなった。
力任せに押し付けられそうになったその時、私の手を掴んでいた女の人の脳天が貫かれる。私を掴んでいた手は緩み、そのまま床にへと自分は座り込んでしまった。
なんで、と周りを見てみれば金髪で、血のように赤い目をしたフューラーさん。いや、前総統だった、グルッペンの親父さんがそこに居てね。
ここの素行を疑ってて、やっと侵入が出来たってことらしい。
私が床に座り込んでいると、頭に大きな優しい手が乗った。
そして総統様が、こう言ってくださったの
「よく、耐えたな」
その一言にどれくらいの重みがあったのか。今でも記憶に残ってる。その後は孤児院に送られて他の子達となんとか馴染みながら頑張ってた。…でも、
腕を見られると、どうしても気持ちが悪いって言われてね。
syp｢っ、え…？｣
Aさんは周りを確認した後、左腕の長袖を二の腕辺りまで一気に捲った。
人は今そこまで居ないから大丈夫だと判断したからだろう。何故ならその腕には、
ありえないほどの傷が、まだ残っていたのだから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 599人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「wrwrd」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
きらら(プロフ) - 完結したっ…いい終わり方でしたァっ…ガチ目に泣きました… (2019年11月22日 5時) (
レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
なのくさ(プロフ) - びりびりしますね、更新楽しみにしてます。ぞくぞくして面白いです (2019年11月4日 23時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんひな - ひくん大好きです！四ツ谷さんの小説好きなので更新待ってます！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 894f831fc0 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - いっぱいちゅき… (2019年9月13日 21時) (レス) id: da8d83ddba (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - 本っ当に四ッ谷さんのぴくん好きです！更新頑張って下さいっ！ (2019年9月9日 20時) (レス) id: b039efaad2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
