22粒 ページ22
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猫はトントンさんの声にびっくりしたのかAさんの腕から抜け出し、俺の足裏にかくれる。
tn｢生き物は軽率に拾ってきたらあかん。｣
『今だけ、今だけだから！外もすごい雨で、びしょ濡れだったし…』
tn｢……今だけ？｣
『今だけ…！！！』
tn｢…はぁ、雨止んだら戻してくるんやで｣
俺も含め、彼女の意思に俺達は折れやすい。それほど真っ直ぐということなのだろうか。ばっと俺の方を向き、嬉しそうにニコニコとしているAさんに不覚にもキュンとくるところがあった。
あー怖、こうやって落としていくんか。
どくどくと煩い心拍を無視したくて、皮肉を零した。こんなのただの八つ当たりやしカッコ悪いし。でもこれ以上深く行かないように、ストッパーをかけておく。
これは愛で死んできた者も何人も居たのを覚えてるから。昔1度、父親から教えて貰ったこと。
「愛を感じたら、全てが崩れる。」
『ショッピ君…？』
syp｢…はい？｣
『顔色、すごい悪いけど、』
syp｢昔のこと思い出してたんすよ。｣
『……そっか。』
それ以上Aさんは追求せず、トントンさんとしゃがみながら猫を撫でていることに気がついた。猫めっちゃ好きやん。2人して顔が緩んでいて、その風景がなんとも言えずに面白かった。
トントンさんとか仕事で疲れてるだろうし一種の癒しにもなるんだと感じる。
トントンさんやグルッペンさんにはもう俺の昔のことなんか知られてると思うし、トントンさんも聞いてこようとはしない。 別に過去のことを思い出したくないとかもない。気にしないタイプだからとコネシマさんに言った時、強がるなと言われたことを鮮明に思い出す。
syp｢…またな、ミケ。｣
『あ、部屋戻る？』
syp｢はい。雨が止んだらちゃんと元の場所に返してきてくださいね。｣
『わかってる！あと…ありがとう。』
syp｢…礼に及ぶことはしてないんで。｣
そう話し、素っ気ないかなと思いながらもその場を後にした。
猫、もうちょい触りたかったけど…トントンさんとAさんが一緒に話してるところを見てしまったら胸が引き裂かれそうな程に痛くて、苦しくなってしまう。
これがどんなものなのか、気づきたくもない。
syp｢………はぁ、｣
部屋には戻らず、いつものベランダに出てはショートピースを取り出した。
湿気のせいもあって上手く火がつかなかったものの、吸ってみればそれも消えてしまう。
カッコ悪。
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きらら(プロフ) - 完結したっ…いい終わり方でしたァっ…ガチ目に泣きました… (2019年11月22日 5時) (
レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
なのくさ(プロフ) - びりびりしますね、更新楽しみにしてます。ぞくぞくして面白いです (2019年11月4日 23時) (レス) id: b3104d6996 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんひな - ひくん大好きです！四ツ谷さんの小説好きなので更新待ってます！ (2019年9月23日 21時) (レス) id: 894f831fc0 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - いっぱいちゅき… (2019年9月13日 21時) (レス) id: da8d83ddba (このIDを非表示/違反報告)
霞花(プロフ) - 本っ当に四ッ谷さんのぴくん好きです！更新頑張って下さいっ！ (2019年9月9日 20時) (レス) id: b039efaad2 (このIDを非表示/違反報告)
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